次期監督レースにも影響? 中日・根尾は立浪氏よりも”福留モデル”

 プロ野球はオリンピック・ブレイクに入った。各球団は7月18日から練習を再開させているが、中日ドラゴンズでは、伸び悩んでいたあのオトコが後半戦のキーマンになりそうな雰囲気である。3年目の根尾昂内野手だ。

「バットを変えたんです。福留孝介のバットをもらい、それが合っているみたいで」(名古屋在住記者)

 福留のバットは、グリップが細いのが特徴だ。芯の位置もホームランバッタータイプのように先端に近い部分にあるのではなく、それよりもやや下にある。市場では中距離タイプ、中長距離タイプとも称されている。ボールとバットがぶつかったときの反発力で飛ばすのではなく、「しならせて弾き返すタイプ」だ。

「バットの特徴はさまざま。選手のフィーリングで合う、合わないがあるようです」(同前)

 根尾は甲子園を沸かせた高校屈指のスラッガーだった。プロで伸び悩んだ理由は、「打てないこと」。金属バットの弊害も指摘されたが、根尾と同じ大阪桐蔭高の出身選手は木製バットにもきちんと対応できている。「根尾だけがナゼ!?」の疑問もあるが、中日首脳陣は「タイミングの取り方が悪い」と答えることが多い。

 しかし、こんな指摘も聞かれた。

「根尾がヒットを放ったときの球種は、ほとんど変化球です。ボールをギリギリまで引き付けて体の近いところで打とうとするから、速いボールに差し込まれてしまうんです。中日首脳陣の言う『タイミングの取り方がヘタ』は、対応が遅いという意味。タイミングの取り方を変えさせようとしていますが」(プロ野球解説者)

 近年、硬い材質のバットが好まれているようだが、根尾が「しなるバット」を選んだのは、速いボールもできるだけ引き付けて打つためのようだ。

 前半戦の打率は1割6分9厘、26打席無安打の屈辱も味わった。関係者によれば、根尾は福留に頼み込んでバットを譲ってもらったそうだ。今後、バットをしならせる打撃フォームをモノにするため、福留に助言を仰ぐ場面も増えてきそうだ。

「春季キャンプではOBの立浪和義氏が臨時コーチとして、根尾を熱心に指導していました。後半戦、根尾の打撃が開花したら、福留のおかげでしょう」(前出・記者)

 立浪氏には次期監督の噂もある。今後の福留とのパワーバランスもちょっと気になる。

(スポーツライター・飯山満)

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