Amazonと真逆!?「ネトフリ」のEC参入に微妙な反応が相次ぐワケ

 米・動画配信サービス大手のNetflixが6月10日、同社初となる公式ECサイト「Netflix.shop」をアメリカ国内でオープンさせた。数ヶ月以内に日本を含む世界各国でも利用可能になるというが、ネット上ではこのECサイトに対して微妙なリアクションも少なくない。

「『Netflix.shop』が主に扱うのはアパレル製品で、現在は織田信長の家臣として実在したアフリカ出身の武士『弥助』をモデルとしたオリジナルアニメ『YASUKE ―ヤスケ―』のアパレル商品やBEAMSとコラボして制作し即完していたアニメ『EDEN』のTシャツも販売されています。今後は、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『ウィッチャー』『Lupin/ルパン』など超人気作のアパレルや雑貨が続々とリリースされる予定だといいます」(エンタメライター)

 ネトフリファンにはたまらないECサイトとなりそうだが、ネット上では《う~ん、こういう作品のオリジナルグッズは熱狂的なファンしか買わないと思うが》《コロナ禍でアパレル業界は冬の時代だし、単純に売れるのかは疑問》《手広くやるのはいいが、失敗して動画配信の利用料が値上げしたりしないだろうな…》《新規加入者が頭打ちになったからアパレルに手を出したって感じで印象良くない》など否定的な意見も見られる。

「ネトフリグッズが売れるのか疑問の声が出るのは、日本での利用者がそこまで増えていないからではないでしょうか。今年4月にスパコロが実施した調査によると、日本国内で現在利用している動画配信サービス利用率1位はAmazonプライムビデオの23.3%で、2位はTver(無料)の16.0%、3位がNetfliの9.1%だったのです。しかし、世界的に見ればNetflixは有料会員数が2億人を突破するナンバーワン動画配信サービスであり、数々のオリジナルヒット作品を排出していて、数多くのファンを抱えている。そのため作品のアパレルグッズはかなり売れるでしょうし、同社からすれば鉄板のサービスといった感じではないでしょうか。もしアパレルで大きな売上が得られれば、またオリジナル映像に多額の制作費をつぎ込むことができるようになり、作品の質も向上する可能性もあります」(ITジャーナリスト)

 動画配信サービスからECサイトという流れはAmazonと完全に真逆の手法だけに、どのような結果をもたらすか注目していきたい。

(小林洋三)

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