Amazon配達員がボイコット!「プライム感謝祭」はどうなる?

 ネット通販大手Amazonの商品を長崎市などで配送する配達員33人が9月15日に荷物の配送をボイコットしていたことが分かった。「プライムデー」で配送する荷物が増えたことでもらえるはずのインセンティブ(加算金)が支給されなかったのが原因のようで、約1750個の荷物に遅れがでたという。Amazonの配達員からは待遇への不満の声が増えており、場合によっては今月開催されるプライム感謝祭でストライキが行われる可能性も指摘されている。

 配達員の労働組合「東京ユニオン・アマゾン配達員組合長崎支部」が実施した記者会見で、個人事業主である配達員たちは物流拠点を管理する1次請負から今年7月に開催されたプライムデーで、「荷物が増える期間は数千円の加算金を支払う」と言われていたが、期日になっても支払われなかったため配達業務をボイコットしたと説明。なお、加算金は9月19日に2次請負から支払われたという。

 なお、2次請負によると1次請負が配達員に対して加算金を支払うと説明していたことを知らなかったといい、1次請負から加算金を支払うための入金もなかったと主張している。

「Amazonの配達員は過酷な労働が問題となっていて、その上でプライムデーという特に荷物が多くなる期間の加算金が支払われないとなれば、配達員としてはたまったものではないでしょう。アマゾンジャパンは2021年から配達を管理するアプリを導入しましたが、そこから配送する荷物が1.5倍から2倍ほどに増えたと言われています。その上で出来高制が日給制に変わり、朝から晩まで働いても日給は少なく、不満を抱える配達員も多いのです。そんな中で、国内では初ともされる今回のボイコットは他地域の配達員にも心理的な影響を与えたことは間違いありません。海外では、プライムデーの開催中に配達員がストを行ったケースもありますし…」(経済ジャーナリスト)

 Amazonは今月14〜15日まで「プライム感謝祭」という大型セールを実施する予定だ。そこで何事もなければいいのだが…。

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