定食チェーンの「大戸屋」は6月15日より、梅を使用した夏季限定メニューの販売をスタートさせた。ここ最近の飲食チェーンの限定メニューといえば“デカ盛り”や“激辛”が多く、チェーン飯の食レポをさせてもらっている身からすると少々食傷気味の時もあるのだが、そんな今、求めるものが「大戸屋」にあったのだ。
今回の限定メニューは、「食」を通じて健やかなからだへと導く「食養生(しょくようじょう)」という考えをもとに、天然のスーパーフードと言われる伝統食「梅干し」に着目し、夏を元気に過ごせる3メニュー「豚と彩り野菜の冷しゃぶと梅じゃこご飯」(税込1080円)、「梅しそ巻きのチキンカツとおろし出汁」(930円)、「梅おろしとシラスの冷やしサラダうどんとかぼちゃコロッケ」(950円)をラインナップしている。
さて、3メニューの中から選んだのは、唯一テイクアウト(860円)も用意されている「梅しそ巻きのチキンカツとおろし出汁」。やわらかなチキンに梅しそを巻いたさっぱりキチンカツは、梅タレと大根おろしが入った出汁を付けていただく、夏らしいメニューとなっている。
早速、梅しそ巻きのチキンカツを出汁に浸していただいてみると、粗めの衣がサクサクとして食感良く、鶏肉はしっとりジューシーで非常に柔らかい。また、しその風味と出汁の梅タレの酸味がいい具合に食欲を刺激してくれるので、白飯がとにかく進む一品だ。
カツを出汁につけて食べるのは、わりと珍しいやり方だと思うが、衣のサクサクが失われず、涼しげにいただくことができて、まさに夏にぴったり。
ただ、残念なのは全体的にしそが少なすぎる。カットされたカツの端の方はまったくしそが入っていないものもあるぐらいなのだ。「大戸屋」は昨年9月にコロワイドによる敵対的TOBによって買収されており、すでにほとんどの店舗ではセントラルキッチンが導入されているはずなので、たぶんこのしその少なさは、この店舗に限ったことではないのではないか…。930円という価格からしても、ちょっと残念な量だろう。
こんなにしそが少ないのであれば、同店のメニューにある「梅おろしチキンカツ」の方が良かったのではないかと思ってしまう。こちらは梅おろしと昆布つゆでさっぱりいただけるメニューで、値段が140円安く、さらにカロリーも182キロ少ない。そう考えると、「梅しそ巻きのチキンカツとおろし出汁」には、他に違いを感じられる何かがあれば…と思わずにはいられなかった。
(ビートル鈴木)