ひき逃げに性犯罪…相次ぐ不祥事の風評被害に遭うウーバー配達員の嘆き

 米宅配サービス大手「ウーバーイーツ」が、鳴り物入りで日本に参入してきたのは2016年のこと。その革新的なサービスは、瞬く間に日本で大流行し、街中を自転車で疾走する姿は〝クール〟なものだった。しかし、あれから5年が経ち、今やウーバー配達員に対するイメージはだいぶ変わってきたのではないだろうか。

 近年、一部配達員による危険な運転マナーはたびたび問題視され、最近もコンビニで下半身を露わにしたり、客にスタンガンで襲いかかったり、性犯罪やひき逃げに及んだり…などの事件が相次いで報じられた。

 こうした一連の不祥事が重なったことで、世間からのきつい風当たりに悩む配達員もいる。一昨年に一念発起して脱サラし、その後は都内でウーバー配達員として働く沢田まことさん(仮名、30歳)もその一人だ。

「一昔前のウーバー配達員といえば、アグレッシブに自転車を乗りこなしてどことなくかっこいいイメージがあり、マスコミでも新世代のビジネスモデルと散々もて囃されました。しかし、それも今や昔。度重なる配達員の不祥事によってイメージは悪化し、その結果いわれのない差別を受けることも…。以前、料理を届けるために自転車を漕いでいたら、一時停止せずに路地から出てきた車に危うく轢かれそうになりました。しかし、運転手は『危ねえな!ウーバーは本っ当に運転マナーが悪りぃな!』と逆ギレ。またあるときは、店に料理を受け取りに行くと店員から『邪魔だから外で待ってて』といわれたり、客先に注文品を届けると『来るのが遅せえよ!』などと暴言を吐かれたことも。トレードマークであるウーバー専用の大きなリュックを背負っていると、道を行き交う人々から嫌悪の視線を向けられることもしょっちゅうあります」

 長引くコロナの影響で、テレワークや外出自粛を余儀なくされ、ウーバーを利用している人は多い。一部の配達員のせいで、彼らが職業差別を受けることなどあってはならないし、彼らの社会的地位が向上することを願ってやまない。

(橋爪けいすけ)

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