巨人・宮本コーチの気の毒なくらいの気遣い/セ・パ交流戦の「危険球男」(2)

 同じくトレード話にコト欠かないのは、巨人・小林誠司(32)である。今季はファームに幽閉される飼い殺し状態を余儀なくされていたが、2日の西武戦から1軍に昇格。ようやく、山が動いたというのだ。

「今回の昇格は、交流戦の打席に立たせて、パ・リーグの投手に対応できるかアピールさせるためのものです。選手たちにも知れ渡り、すでにファームではささやかな〝お別れ会〟が開かれたとも言われている。捕手が不足していて、1軍級の投手がダブついている楽天が本命です。釜田佳直(27)や弓削隼人(27)など、2軍で結果を残しても上での出場機会を得られない状況ですからね」(スポーツ紙デスク)

 ドラ1捕手を放出することも辞さない巨人は、セ・リーグ2位(6月10日時点)。好位置にいるはずだが、リリーフ陣を打者ごとに投入する明日なき戦いを強いられている。なにやら、原辰徳監督(62)が「目の上のたんこぶ」の阪神を過剰に意識していることが災いしているようなのだ。

「矢野燿大(あきひろ)監督(52)への嫉妬が見え隠れしています。もともと、原監督はどこかで矢野監督をナメている節があった。08年の歴史的な逆転優勝『メイクレジェンド』の時の阪神の捕手、つまり司令塔でしたからね。監督就任以降の『矢野ガッツ』や自己啓発に傾倒する姿を小バカにすることもしばしばだった。今年の阪神は、原監督がドラフトでクジを外した佐藤輝明(22)の加入で勢いづいてしまった。そのうち落ちてくるとタカをくくっていたのに、いつまでたっても息切れしない」(巨人OB)

 2位に甘んじる原監督は、ベンチでイライラを募らせるばかり。それを選手たちに伝染させまいと、宮本和知投手チーフコーチ(57)が気の毒なくらい気遣いを見せているという。

「ただでさえ桑田真澄投手チーフコーチ補佐(53)の加入により、監督の指示をブルペンに伝える〝電話番〟に成り下がっています。時には直接ブルペンに出向くこともあって、待機するリリーフ陣に平身低頭する営業マンよろしく『すまん! 今日も頼む!!』とバツが悪そうに懇願するそうです。毎度、コツコツコツと通路を歩く足音が聞こえるようで、『今日も来るぞ(笑)』と、リリーフ陣のネタにされています」(巨人OB)

 リリーフだけではない。時には、不甲斐ない先発陣のケツを拭かされることもある。5月28、29日のソフトバンク戦では、両日合わせて9本塁打を献上。ご多分に漏れず、原監督の逆鱗に触れることになった。

「1戦目の畠世周(27)はカウント球の変化球、2戦目のサンチェス(31)はストレートを狙い撃ちされていた。内と外を交互に構えるだけの大城卓三(28)ならまだしも、ベテランの炭谷銀仁朗(33)でも抑えられなかったことから、バッテリーの癖やサインを盗まれた疑惑が浮上したんです。結果、宮本コーチと實松一成バッテリーコーチ(40)はその夜、完徹して対策を練らされるハメになったといいます」(巨人OB)

 宮本コーチらの苦労が報われたのか、翌30日には被弾0で勝利。19年の交流戦から続くソフトバンク戦の連敗を14で止めて、原監督も少しは溜飲を下げたか。

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