「ユニクロ」女性用肌着の自主回収に、よもやの疑いの声

 ファストファッション大手「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは5月28日、同社が製造・販売する女性用肌着の一部商品に異物が混入したとして自主回収すると発表したが、これにネット上では《異物って何?》と不審がるが上がっている。

「自主回収されるのは、『エアリズムブラタンクトップ』1万7577点と、『ボディシェイパーショーツ(スムース・4分丈)』2万7420点の計4万4997点で、今年4月から5月にかけて販売されたものが対象となります。同社は今のところこの件で顧客から異物混入や怪我等の報告はないと説明していますね」(アパレル関係者)

 混入した異物は生地工場の染色機内の極小さな網状フィルター(アルミ)だったことが明かされているが、ネット上では《異物って本当にアルミだけ?》《この商品にウイグル綿は使用していないんだろうな》《ウイグル綿を使用している商品はすべて回収してほしい》といった声まで上がっているのだ。

「今回の回収は新疆ウイグル自治区の人権問題とはまったく関係がありませんが、5月19日にユニクロの綿シャツにウイグル綿を使用している疑いがあるとして、米税関・国境警備局が今年1月に輸入を差し止めていたことが明らかとなっています。これに対してファストリ社は『生産過程で強制労働などの問題がないことが確認されたコットンのみを使用している』と反論していますが、これにも疑いの声が相次いでいたのです。こうした逆風が、今回の自主回収における波紋の拡がりにつながっているのでしょう」(経済ジャーナリスト)

 しばらくユニクロは、回収などのトラブルが発生するたびにウイグル問題が引き合いに出されそうだ。

(小林洋三)

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