ダルビッシュ、絶好調4勝目の試合に韓国メディアが注目したワケ

 パドレスのダルビッシュ有投手がロッキーズ戦に先発し、7イニング投げて被安打4失点ゼロで4勝目を挙げた(日本時間5月18日)。ダルビッシュは試合後、自身のブログを更新し、2月中からしっくり行っていなかった投球フォームの修正ができたことを打ち明けていたが、裏を返せば、ここまで不完全状態で防御率、奪三振数のトップ争いを繰り広げていたわけだ。

 改めて、ダルビッシュの凄さが伝わってきたが、所属チームのパドレスには韓国メディアも注目を寄せているという。

「パドレスの看板選手であり、今年2月に14年総額3億4000万ドル(約374億円)の超・大型契約を交わしたフェルナンド・タティス・ジュニア遊撃手が、新型コロナウィルスの陽性反応を受け、チームを離脱しました。代理遊撃手としてスタメンのチャンスを掴んだのは、韓国のキム・ハソン選手です」(米国人ライター)

 キム・ハソルは4年2800万ドル(約29億4000万円)で、韓国リーグのキウム・ヒーローズから移籍してきた。20年シーズン、打率3割強、本塁打30、打点109の好成績を引っ提げての挑戦だったが、フェルナンド・タティス・ジュニアとポジションがかぶること、ユーティリティ・プレーヤーのジェイク・クローネンワースら有力ライバルも多く、厳しいスタートとなった。

 しかし、フェルナンド・タティス・ジュニア離脱後、「スタメン・ショート」のチャンスを掴み、ダルビッシュが4勝目を挙げたロッキーズ戦でも、3打数1安打1打点とチームに貢献している。

「パドレスは内野のバックアップ要員として獲得しました。守備力、肩の強さはメジャー平均レベルだと思われます」(同前)

 バックアップ要員といえば、パドレスのマイナーには加藤豪将選手もいる。「ダルビッシュの投げる試合で加藤がショートを」となれば、日本メディアも盛り上がりそうだが…。

「米国でも、ダルビッシュが投げる試合は『勝って当然』という雰囲気です。だから、大きく報じられないのかも」(スポーツ紙記者)

 日本は大谷のいるエンゼルス、韓国はキムがチャンスを掴んだパドレス。ダルビッシュをもっと見たいと思う日本のファンも少なくない。加藤の奮起にも期待したい。

(スポーツライター・飯山満)

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