米大リーグ・パドレスと総額1億800ドル(約140億円)の6年契約を結び、10日に本居地のカルフォルニア州サンディエゴで記者会見を行ったダルビッシュ有。18年に自身が当時所属していたカブスと結んだ6年1億2600億ドルに続く大型契約だ。
本人は以前から「やる可能性は95%ない」と契約が切れる23年オフの引退を示唆していた。会見でも、「そろそろ終わりかなと思っていた」と語り、その気持ちに偽りはなかったようだが、長期契約の提示という球団からの評価と熱意に翻意したことを明かしている。ちなみに今回の契約の最終年にダルビッシュは42歳になっている。
しかし、この契約発表に複雑な反応を見せるのは、古巣の日本ハムのファンたちだ。実は、20年11月に地元情報番組「どさんこワイド」にリモート出演したダルビッシュは、「(日本球界復帰なら)日本ハム以外には行けない。戻れたらうれしいなと思います」とコメントしていたのだ。実際、これを受けて23年シーズン終了後の移籍の可能性を報じたメディアもあった。
「新庄ビッグボスは21年11月の就任後、『有、一緒にしよう。監督になったよ』とメールし、まだ契約が残っているダルビッシュに対し『いいから来いよ』と熱烈オファーを送っています。このとき『楽しみにしてます』と返信があったことを紹介していたので、現役続行なら日ハム復帰だと誰もが思っていましたが、その希望が絶たれてしまった」(地元紙記者)
とはいえ、中には「諦めるのはまだ早い」と主張する関係者もいる。
「彼は速球も投げられますが、基本的には技巧派投手。現在のフォームは肘や肩への負担が少なく、パドレスも42歳まで戦力になると判断しているのでしょう。日本球界でも彼のようなタイプの投手は選手寿命が長く、大きな怪我さえなければ43〜44歳ごろまでプレーすることは不可能ではありません。それに途中で契約破棄できるオプトアフトの条項も契約条件には入れているはずです」(野球ジャーナリスト)
メジャーからの凱旋投手としては、黒田博樹氏が39歳で古巣・広島に復帰(41歳で引退)、上原浩治氏は43歳で巨人に復帰した(44歳で引退)。
果たして、6年後、ダルビッシュが新球場「北海道ボールパーク」のマウンドに立つのか、ファンは辛抱強く待っている。