変異株猛威でも1日最大300人の「待機違反」発覚!ユルユル水際対策に非難

 感染症問題に詳しいジャーナリストが怒りを込めて言う。

「台湾などの成功例を見ても、水際対策がいかに重要かがわるはずですが、日本は相変わらず入国審査もユルユルで、自宅隔離にも強制力がない。結果、こんなザル状態が変異株入り放題の状況を作りだすことになってしまったんです」

 政府はこれまで、健康状態や位置情報について、毎日報告することを条件に帰国者の自宅やホテルでの14日間自主隔離を認めていた。ところが12日、自民党の外交部会などの合同会議で、海外から帰国後、保健所に位置情報を報告しなかったり、自主隔離の場所から離れたりする人が4月には、1日最大約300人いたことが明らかになった。

 前出のジャーナリストが続ける。

「単純計算して1日最大300人の違反者なら、1週間で2000人以上違反者がいた可能性があるということ。帰国者はスマホのアプリやメールを使い、毎日の位置情報や健康状態を報告するとして、入国時に誓約書にサインしているため、政府対策本部としては今後、誓約書に違反したとして、氏名公表の可能性がある旨の警告メールを送付、また、委託業者が待機場所の自宅などを訪れて、所在を確認するとしています。ただ、移動の自由は憲法で保障されているため、罰則を設けることは難しいため、たとえ誓約書に違反しても、懲役や罰金などの罰則を科すことはできません。その間に、変異株による市中感染がどんどん拡大する可能性があるというわけです」

 厚労省によれば、現時点でも、1日平均約2万4000人の帰国者らが自主隔離中だが、保健所への報告を怠るなどの違反者は5月に入ってからも、1日50〜100人程度いるという。
  
 この報道を受け、SNS上では、当然のことながら政府に対する批判が爆発。《1日最大300人の入国者が野放しになっている中、いまだにお願いベースの自主隔離を続ける意味がわからない》《政府の対応には怒りと不安しかない。この緊急事態に自由の侵害だ人権無視?ある程度の批判覚悟でやるべきだろ!》。《コロナは日本政府とバカなお役所連中による人災だ!もっとまともな仕事できないのか?》といった厳しい声が渦巻いた。

 前出のジャーナリストが続ける。

「たしかに、法で縛れば『自由の侵害だ』『人権無視だ』と、様々な批判もあるでしょう。しかし、それは平常時での話。今は平時ではなく有事真っ只中です。権限を発動してでもしっかりと2週間隔離するべき。それが無理ならば入国を止めるしかない。専門家が指摘するように、海外渡航歴のある人が周囲にいないのに変異株の感染者が続出しているのは、科学的にあり得ないことなんです。したがって、何らかの形で外国から持ち込まれ、それが広がっていることは間違いない。にも拘らず、政府は相変わらず、『不要不急の外出を控えて』『気の緩みがあるからいけないんだ!』と、お題目を唱えるだけ。つまり、日本人の9割以上がきちんと対策し、自粛していても、肝心の水際対策がこの体たらくでは、感染拡大は止められるはずがないということ。その本質を見極められない政府のダメダメぶりには、憤りしかありませんね」

 さて、そんな中でのオリンピック開催の行方は……。

(灯倫太郎)

*写真はイメージです

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