斎藤佑樹よりスゴい!? 22年間、出場試合ゼロのサッカー選手とは?

 1軍で活躍したのはデビューした11年と翌年の2シーズンだけ。以来、10年間にわたって低迷が続く日ハム・斎藤佑樹(32)。昨年は入団後初めて一度も1軍に上がれず、現在は右ヒジ靭帯断裂の影響でシーズン中の復帰は難しい状況だ。

 野球ファンの間では「なぜ戦力外通告されないのか」と毎年言われ続けているが、サッカー界にはプロでありながら引退までの22年間、公式戦の出場試合数がゼロという、別の意味で金字塔を打ち立てた選手がいる。母国ブラジルでは〝最高の詐欺師〟と呼ばれているカルロス・カイザー(57)だ。

 しかも、所属していたのはブラジルの名門・フラメンゴやフルミネンセ、ヴァスコ・ダ・ガマをはじめとする有名クラブばかり。しかも、フラメンゴ時代にはなんとあのジーコとチームメイトで、ブラジル1部リーグの優勝も経験している。

 もともと将来有望なユース選手のひとりだったがプロで活躍できるほどの実力はなかったと言われている。本人もそれを自覚していたのか次々とウソの故障をでっち上げて実力がバレるのを隠し続け、持ち前のコミュ力でブラジル代表など当時のスター選手と仲良くなって信頼を得ることに成功。彼らの推薦でプロチームに入団し、86~87年にはフランス2部リーグ(当時)のガゼレク・アジャクシオに所属するなど欧州リーグへの移籍も果たしている。

 現在と違って映像が簡単に入手できなかったこと、記者を買収して優れた選手だというフェイクニュースを定期的に書かせ、さらには経歴も詐称。あえてクラブを転々とすることで結局最後までバレることなく2003年に37歳で引退したが、後にすべて計算ずくであったことを告白。その半生を描いたドキュメント映画は18年に公開され、ブラジルでは大きな話題になったという。

 ポジションはFWでありながら試合への出場経験がないので通算得点も当然0点。スター選手はどの時代にも必ず現れるが、彼のような選手は二度と出てこないだろう。サッカー界の長い歴史の中でもオンリーワンの存在。その点ではカルロス・カイザーもまた偉大な選手なのかもしれない。

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