斎藤佑樹、大炎上で二軍降格に追い打ちをかけたオフの猛特訓の“全否定”指摘

 またもや二軍落ちが決まった、北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹投手。2月24日、横浜DeNAとのオープン戦に3番手として4回からマウンドに上がったが、オースティンに左翼席への一発を食らうなど良いところが全くなかった。この3回3失点の背信投球に、栗山英樹監督は即刻、二軍降格を告げた。

 これに、厚沢和幸ベンチ兼投手コーチは、「スピードじゃないんだという、斎藤佑樹が出せる味の投球を求めている」とのコメントを残しているのだが、いったいどういうことなのか。

 19年と20年のオフ、斎藤はスピードアップをメインテーマにしてトレーニングを重ねていた。つまり、斎藤のやってきたことは全て“無駄”だったという、かなり辛辣な意味が込められているのだ。

「球速アップを目指し、都内トレーニングジムで体を鍛えていました。宙づり状態になってのトレーニングメニューもあり、インナーマッスルのパワーアップにも努めていたんです」(スポーツ紙記者)

 また、学生時代もほとんど投げていなかったカーブの再習得にも時間を費やしていた。オースティンに食らった一撃は、そのカーブを打たれたという。
 
「現状、斎藤は2年続けて勝ち星ナシで“そろそろヤバイ”と現役生活の危機も伝えられて久しく、それを乗り越えようと懸命に努力してきたのも事実。そうした逞しさから、『斎藤には鈍感力がある』とも言われてきましたが、今回、ペナントレース本番前に厳しいトレーニングが無駄に終わったと指摘されれば、さすがにショックは相当なものですよ」(前出・スポーツ紙記者)
 
 しかし、厚沢コーチの言葉は、復帰のヒントも含まれているという。

「『球速がなくても勝負できる』と言っているわけですから、技巧派投手としてのスタイルを確立すれば危機的状況を脱することもできるかもしれません。もっとも、今年32歳になる斎藤に対し、球団は長い猶予期間は与えないとは思いますが…。まだわずかな光が見えている今は、めげずに二軍で結果を積み上げていくしかありません」(前出・スポーツ紙記者)

 再びその鈍感力が試される。

(スポーツライター・飯山満)

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