公衆電話「4分の1削減」に「災害時は大丈夫?」相次ぐ危機感の声

 総務省は有識者会議において公衆電話の設置義務を緩和する報告書をまとめた。今後は街にある公衆電話が大幅に減る見通しとなったが、ネット上では《災害時を想定してなるべく残してほしい》といった声も多い。

「現在のルールでは市街地ではおおむね500メートル四方に1台、それ以外の地域はおおむね1キロメートル四方に1台、公衆電話を設置することが義務付けられており、全国にはおよそ10万9000台が設置されています。しかし、携帯電話の普及によって利用率が大幅に減少。NTT東日本と西日本の公衆電話事業が赤字続きとなっていたのです」(社会部記者)

 そこで設置基準を大幅に緩和し、市街地ではおおむね1キロメートル四方に1台、それ以外の地域はおおむね2キロメートル四方に1台へと変更。今の約4分の1となる2万7000台程度に削減される予定だ。
 
 ただしこれに、ネット上では《災害時は携帯が使い物にならなくなるので、災害時を想定してなるべく残してほしい》《震災があった時に公衆電話は絶対に必要だから、国営にしてでも残すべきだと思う》《公衆電話は役所や公園、避難所などには絶対に設置して各自治体で維持するではダメかね?》といった意見が寄せられている。

「災害時は安否確認などでいっせいに携帯電話が使用されるので、非常に繋がりにくい状態になるのは多くの方がご存知だと思います。また、いまだにほとんどの小学校や中学校では携帯電話が原則持ち込み禁止となっているので、子どもたちが事件やトラブルに巻き込まれた時のためにも公衆電話はなるべく残しておいてほしいと思っている親御さんも多いのではないでしょうか。ただ、非常用とはいえ、それを民間企業に赤字で維持させるのも負担が大きすぎることから、税金で補填するなどの対応ができればいいのですが…」(経済ジャーナリスト)

 なお、新幹線に設置されている公衆電話も今年6月で順次廃止されることが決まっており、公衆電話を見かける機会はグッと少なくなりそうだ。

(小林洋三)

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