首都圏「災害に強い街」1位は所沢市、23区で唯一のトップ10入りは…

 すでに解除されたが、M7.1を観測した8日の宮崎沖の地震で発令された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)。他にも台風や線状降水帯により毎年各地で洪水が発生しており、我々の生活は常に災害と隣り合わせだ。

 自分の住んでいる地域の災害リスクが気になる人は多いと思うが、大手不動産情報サイトの「SUUMO」では20年に首都圏1都3県を対象とした「首都圏災害に強い街(都市)ランキングTOP100」を発表。同ランキングは「GNP」というリスク指標に基づき、地震・津波・高潮・洪水・土砂災害・火山災害の6つの自然災害リスクをスコア化したもの。

 ちなみに1位の“もっとも災害に強い街”に選ばれたのは埼玉県所沢市で、2位は和光市、3位は北本市とベスト3を埼玉県の自治体が独占している。

「所沢市は大半が武蔵野台地と狭山丘陵、北本市もほぼ全域が大宮台地にあり、洪水に強く地盤も安定しています。2位の和光市はいちばん都心寄りで北側3分の1は荒川沿いの低地ですが、それ以外は武蔵野台地で市街地はこちらに集中しています。いずれも首都圏では人気のベッドタウンですが、災害への強さも人気の一因となっています」(不動産業界誌記者)

 4位以下も鎌ケ谷市(千葉)、羽村市、青梅市(いずれも東京)と上位20自治体では9位渋谷区、15位文京区を除き、都心20㎞圏外に集中している。東京23区で唯一、渋谷区がトップ10入りしていた。

「渋谷区は標高のもっとも低い渋谷駅周辺でも海抜約15mで、ほとんどは25~40mの淀橋台地や幡ヶ谷丘陵に属します。また、文京区も神田川沿いを除く地域の多くは武蔵野台地となるため、どちらも23区内では災害リスクが低いとの評価を受けています」(同)

 だが、さすがに渋谷は家賃が高いため、多くの方にとっては20㎞圏外のエリアが引っ越し先の現実的な選択肢となりそうだ。

「ただし、20㎞圏外でも沿岸部は低地で洪水・高潮リスクに加え、大地震発生時には液状化現象や津波の危険性もあります。もちろん、交通の便の良さ、買い物のしやすさなどの利点も多いため、どのポイントを重視するかにもよると思います」(同)

 少なくとも引っ越し先を決めるうえでの参考材料にはなりそうだ。

※写真は所沢市

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