4月23日、東京都日本橋の高島屋にオープン時間より何時間も前の早朝から長蛇の列が出来ていた。列を作っていた人たちの目当ては現在大ブームとなっている「ポケモンカード」だ。
人気ゲームシリーズ「ポケットモンスター」を題材とした「ポケモンカード」は、日本でのトレーディングカードゲームブームの火付け役とも言える人気シリーズだ。1996年の発売以降、メインターゲットである少年少女の間ではもちろん、近年では老若男女問わず全世界にプレイヤーがいるほどブームの輪が広がっている。カードゲームとしての面白さはもちろん、レアカードを目的とするコレクターも多く、プレミア価値がついたカードは海外オークションで3600万円もの値で取引されたこともあるという。
日本橋にできていた行列は、当日発売開始となったカード5枚入りのパックを求めてできたものだった。1パック税込み165円で販売されているが、このパックのいわゆる“当たりカード”と呼ばれるレアカードは、1枚2万円ほどに価格が高騰しているという。パックを大量に買い込んで、レアカードが出れば転売しようと目論む不届き者も少なくないのだ。
販売する日本橋高島屋のポケモンセンターは混雑を予め予想し、時間別に整理券を配布することを事前に案内していた。さらに注意事項として、「ご案内以前に列を形成された場合、順番でのご案内は致しかねます」と、いくら早い時間から行列を作っても意味がないことを十分に告知していたが、それでも一部のファンや“転売ヤー”は大行列をつくってしまったのだ。
この早朝からできた長蛇の列を相手にしたポケモンセンター側の対応が《神対応》と話題を読んでいる。
店舗スタッフは整理券配布時間になると「今からが列形成時間なので列の最後尾から整理券を配ります!」と、なんと行列の最後尾から整理券を渡しはじめたのだ。店舗の案内を無視して転売目的に早朝からスタンバイをしていた“転売ヤー”は思わずガックリ。ファンの間では《ちゃんとルールを守って買うことができて良かった》《案内に従わない悪質な転売ヤーはこれで懲りてほしい》《子供がほしがってるカードをルール無視で買い占めようとするほうが悪い!》と機転を利かせたスタッフの対応に称賛の声があがっている。
ポケモンカードに限らず、人気商品を転売目的で買い集める行為は近年問題視されている。今回のような販売側の工夫で、本当に欲しい人が適正価格で手に入れられるようになってほしい。
(浜野ふみ)
※写真はイメージです