千葉ロッテファンのGWシーズンの楽しみは、佐々木朗希だけではない。ファームの安打製造機、2年目の高部瑛斗外野手(23)の一軍昇格が決定した。
「チャンスがあれば、スタメンで使っていこうかなと思っています」
4月22日の日本ハムとの試合後、井口資仁監督がそう語っていた。千葉ロッテの二軍といえば今季、「新記録まであと1つ」となる怒濤の14連勝をマークし、「その勢いを一軍にも」なんて声も聞かれた。その14連勝に貢献したのが、高部だ。
高部は2019年ドラフトで3位指名された国士舘大出身の外野手。昨季はイースタンリーグで打率2位の好成績を残し、ペナントレース終盤には新型コロナウイルス感染者が出たため、緊急昇格でチャンスを掴んだが、モノにすることはできなかった。しかし、2年目の今季はここまで打率4割4厘と絶好調で、井口監督も大きな期待を寄せている。
「大学1年秋のリーグ戦から4年生春まで、打率3割を切ったことがないんです。通算129安打は、東都2部の歴代最多記録です。19年ドラフトの大学生外野手で言うと、楽天に1位指名された辰巳涼介と同等に評価するスカウトもいました。2部リーグなので、3位指名となったんです」(在京球団スカウト)
辰巳が一軍の舞台で活躍してきたのに対し、高部はファームでみっちり鍛え直されたクチ。昨季終盤の緊急昇格のときは良いところが全くなかったが、対戦したのはリーグを代表する好投手、オリックスの山本由伸である。一軍と二軍の違い、いや、それ以上のものを痛感させられたはずだ。
「同じく、コロナ感染での緊急昇格でチャンスを掴んだ藤原恭大をライバル視している節もありました。自分に何が足らなかったのかを考え、昇格のチャンスを待ち続けていました」(球界関係者)
GW中か、GW明けの最初の週末となる5月7日からのオリックス3連戦で、佐々木朗希の一軍デビューが予定されている。この 本拠地・ZOZOマリンでのオリックス3連戦が怪物デビューとなれば、昨季終盤、山本に格の違いをみせつけられた高部も奮起するはず。
緊急事態宣言でスタンド観戦できるかどうか分からないが、GWは千葉ロッテに注目が集まりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)