阪神・佐藤輝明、打率不振で矢野監督を悩ます「打順問題」とは

 4月4日、阪神のドラ1ルーキー佐藤輝明がプロ入り後初のスタメン落ち。それでもチャンスで代打起用され、期待の大きさを窺わせた。

 前カードの広島戦から8打席連続凡退、打率1割台と不振を極めている。4月1日には右翼スタンドに放り込むホームランを放ったが、その前日まで「2試合連続3三振」と苦しめられていた。ファンの期待が大きい選手だけに、このままスタメン落ちが続くことはないだろうが、新たな問題も発生している。

「佐藤の打順ですよ。矢野監督は『3番』に上げたいと思っています。打撃の調子がいいときを見計らって、3番・佐藤、4番・大山、5番・サンズのクリーンアップを編成したいと当初は考えていました」(球界関係者)

 4月1日、試合前の打撃練習でのこと。井上一樹ヘッドコーチが10分程度だが、付きっ切りとなって佐藤にアドバイスを送っていた。詳細は不明だが、佐藤と同じ左打ちだった井上ヘッドは右腕をバットに見立てて、熱弁を振るっていた。第3打席に出た一発は、その効果が出たのかもしれない。

「近本光司の調子もようやく上向いてきました。近本が不調のままなら、大幅な打順改造も視野に入れていたそうです」(同前)

 佐藤をクリーンアップに持っていけない理由は、他選手との兼ね合いも影響している。2番・糸原健斗が好調であり、復調しつつある近本を1番で使い続ければ、「近本、糸原、佐藤」と、左バッターが3人続くことになる。いまは右打ちのマルテを3番に置くことでそれを防いでいるが、新外国人選手のメル・ロハス・ジュニア外野手とラウル・アルカンタラ投手が5日に来日。昨季、韓国リーグで打点、本塁打の二冠に輝いたロハス・ジュニアの合流は大歓迎だが、そうなると、外国人選手の一軍登録枠の問題も出てくる。

「現在、マルテ、サンズ、スアレス、ガンケルの2野手2投手を一軍登録しています。一軍登録は『5人』まで。ロハス・ジュニアはスイッチヒッターですが、右バッターのマルテ、サンズのいずれかを出場登録から外すようなことになれば、阪神の攻撃陣は“左偏重打線”となってしまいます」(在阪記者)

 外国人バッターたちが好調なため、佐藤のクリーンアップ昇格は少し先の話しになりそうだ。また、こんな情報も聞かれた。

「ロハス・ジュニアが合流したら、打率の低い近本か、佐藤のどちらかがスタメンから外れるかもしれません。近本はリードオフマンなので、佐藤ということも…」(同前)

 矢野耀大監督の悩みの種は尽きないようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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