阪神・佐藤輝明、打率向上で「エグイ内角攻め」が始まった!

「佐藤(輝明)に対する攻め方がエグくなったんじゃないか?」

 昨今、そんな指摘が聞かれるようになった。交流戦後半から出始めたのだが、それは佐藤の打率が上がってきたころと重なる。

 交流戦明けの最初の対戦カード、巨人3連戦を終えた時点での佐藤の打率は2割8分3厘。交流戦前は2割6分5厘だったからここにきて打率を上げているのだが、そのヒットの内容が“特殊”だった。

「フルスイングをして、詰まった打球が内野手を超えたあたりに落ちるというヒットです。そういうヒットが多いんです」(球界関係者)

 そもそも、佐藤はストライクが来たらバットを振らなければもったいないと思うタイプ。また、ここまでの打席の傾向から「常にフルスイングをしてくる」ということも分かってきた。

「タイミングを外されたり、小さな変化球で芯を外されたと思ったら、普通のバッターはスイングの途中から力を抜くんです。だから、ファウルになることが多いんですが、佐藤は常にフルスイングだから、詰まっても内野手の頭上を越えるヒットが多くなる」(同前)

 フルスイングの姿勢には好感が持てる。しかし、交流戦半ばから対戦投手は、佐藤に対する配球を変えてきている。これまでは「外角低めの変化球、ボールになる外の変化球」が苦手と思われてきたが、最近では力のある内角球がメインとなり、それを空振りするシーンも出てきた。

「フルスイングでの空振りは怪我のもと」

 そう危惧する声も聞かれるようになった。ベテラン記者は言う。

「佐藤に長打を食らわなければ良いとし、内角攻めが始まりました。スピードボールのない投手は四球で歩かせてもよしの構えです」

 いよいよ始まった佐藤へのエグい内角攻め。厳しい攻め方をされるのは新人扱いされなくなった証でもあるが、佐藤が打撃不振に陥れば、トラの首位快走も危うくなる。内野手超えのヒットによる打率向上はホームランバッターにとって、芳しくない傾向のようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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