横浜DeNAベイスターズの三浦大輔監督が「初勝利」を飾ったのは、4月4日の広島戦だった。「1勝」するのに9試合も掛かってしまったせいか、試合後のインタビュー中、目がキラリ。三浦監督は「泣いていない」と必死に否定していたが、チームがこのまま勝ち進んでいけば、「あの光景も見られるようになるのでは」と、関係者が期待しているという。それは、三浦監督のノックだ。
「『意外と』と言っては失礼だけど、巧いんですよ。キャンプ中、キャッチャーの練習で三浦監督自らがノックをすることもありました」(スポーツ紙記者)
「意外と」と思われるのは、当然かもしれない。ピッチャー出身でノックが巧い監督というのはあまり聞いたことがない。
三浦監督は打撃投手役を務めるなど、選手たちと“二人三脚の姿勢”でチームを作り上げてきた。ノックを披露したときも「巧いですね?」と声をかけられ、「昔、ちょっと野球をやってたんで」と答え、周囲を笑わせていた。オープン戦以降、三浦監督はノックを封印してしまったが、その評判は人伝てに伝わり、「見てみたい」という関係者、ファンも増えてきたそうだ。
「守備担当のコーチに配慮し、やらないようにしているのでは。チームが連勝し、雰囲気が明るくなれば、リクエストに応えてくれるかも」(球界関係者)
2016年の現役引退後、三浦監督は高校野球を含めた学生球界もお忍びで視察していた。ノックの仕方は学校それぞれで、打球を飛ばす方向、スピード、バウンドを変えたりと様々だが、三浦監督はそれを勉強していたという。二軍を指揮していた昨季も、対戦チームの練習光景をしっかり見ていたとのことで、投手出身とは思えないノックの巧さは“目で覚えたもの”とも言えそうだ。
「初勝利となった4日は初回から判定のリクエストを要求するなど、積極的でした。そんな積極性がベンチ全体を一つにし、連敗中とは思えないほど声も出ていました」(前出・スポーツ紙記者)
試合前、三浦監督のノックが実現すれば、チームの結束力も高まるだろう。まだ1勝を挙げたばかりなので余裕がないかもしれないが、ノッカー・番長を「見たい!」と思っているファンは少なくないはずだ。
(スポーツライター・飯山満)