阪神・佐藤輝明「笑顔の理由」は新人特別賞と年俸大幅アップだけではなかった!

 阪神・佐藤輝明選手が2年目の飛躍を誓った。しかし、その笑顔と自信の根拠はどこから来たのだろうか。
 
 12月15日、今季のプロ野球のタイトル獲得者らを表彰するNPBアワーズが開かれ、注目の新人王争いは、セ・リーグは広島・栗林良吏投手、パ・リーグはオリックス・宮城大弥投手が選ばれた。

「セパ合わせて6人の選手が新人特別賞に選ばれました。今季はハイレベルな新人が多かったので」(スポーツ紙記者)

 特別表彰となったのは、セ・リーグではDeNA・牧秀悟内野手、ヤクルト・奥川恭伸投手、阪神・中野拓夢内野手、伊藤将司投手、そして佐藤の5人だ。過去、新人王レースには敗れたものの、その活躍を認められて特別表彰された選手はいた。しかし、同一年に「5人」というのは史上最多だ。

「その5人のなかで、佐藤の評価が難しかったと思われます。前半戦と後半戦は別人でしたから」(球界関係者)

 24本塁打は、歴代新人の左バッターでは最多。トータルで見れば立派だが、後半戦の打率は1割5分8厘。59打席連続無安打というリーグワースト記録も更新してしまった。

 その佐藤は新人王の発表前日(14日)、契約更改で笑顔を見せていた。来季年俸は2600万増の4200万円(推定)。思わず、ニンマリしてしまう金額ではあるが、「本塁打30、三塁定位置の奪取、全試合出場」との目標も明かしていた。

 不振のまま、シーズンを終えているだけに「その自信はどこから?」と突っ込みたくなるような場面だったが、会見の場所は阪神の球団事務所。在阪メディアはマイナスな質問をしにくかったようだ。
 
「秋季練習で、新任の藤井康雄1、2軍巡回打撃コーチから直接指導されていました。藤井コーチの指導を聞きながら、ウン、ウンと頷く場面もあって」(前出・記者)

 藤井コーチは独自の4スタンス理論なるものを持っていて、体重を掛ける箇所が修正されたという。とはいえ、まだ実戦では試していない。手応えは感じているとしても、復調の自信までは持てないはずだ。しかし、

「2日に昨年のドラフト指名選手を対象とした研修会が開かれ、佐藤は和田豊球団本部付テクニカルアドバイザーの話に感銘していました。スランプに関する話があって、体、技術、心の順番でダメになっていく、とのこと。佐藤は練習量を増やすことで、スランプを短期間で脱していこうと決めたようです」(前出・関係者)

 最後は「心」。佐藤は前向きになれるかどうかの気持ちが大切だと思ったようだ。
 
 メンタルに影響されるのなら、もう少し首脳陣が気を配っていれば、大混戦となった新人王争いの結果も変わっていたような気もするが…。佐藤の来季に期待したい。

(スポーツライター・飯山満)

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