アジア人へのヘイトクライム(憎悪犯罪)に抗議の声をあげるのは立派なこと。でも、それを褒めちぎるのには違和感がある。これが今回の典型的な反応かも。
3月29日、世界的人気グループのBTSが、アメリカで起きているアジア系の人々に対する暴力や憎悪を非難する声明をSNSで発表。自分たちが受けた差別体験なども交え、「今起きていることはアジア人である私たちのアイデンティティと切り離すことができない」「私たちは人種差別に反対します。私たちは暴力を非難します。あなたも私も、私たちには皆、敬われる権利があります」と力強く訴えたことで、彼らのファンであるARMYも共感。この声明を拡散して世界的な話題となった。日本でも「感動した」「アメリカで人気絶頂の時に勇気ある言動」と称賛の声が。と、ここまではいいのだが……。
「3月31日にタレントの麻木久仁子さんが今回のBTSの声明をこれでもかと大絶賛すると、鼻白む人が出始めたんです。麻木さんは『素晴らしい。心が震えた』と切り出すと、『共に立ち向かいましょう!』とツイート。 その後も『これ読んで、涙が出た』『頑張ろう!彼らと共に』と連投。さらには『army。すごいな。希望をもらいました。すごい。army』と、BTSのファンをも称賛。『おばちゃん、平伏。感心感動感謝』と畳みかけました。ここまでくると、なにやらグループやそのファンにすり寄っている感じがして、シラケてしまう人も多かったようです」(芸能記者)
なので、麻木の尋常ではないBTS称賛節には「心が震えるほどですか?表現がちょっと…」「あなたの発言に色々震えます」「この方々がどういう事をしていたか考えてから、発言お願いします」「Tシャツの事、忘れちゃったの?麻木さん!!!」「麻木久仁子さんって”頭の良い人”というイメージがありましたが、ちょっと違ったようです」とネット民による大量のツッコミが相次いだのだ。
「というのもBTSに関しては、メンバーがキノコ雲と『愛国心」と書かれた”原爆Tシャツ”を着ていた問題など、いいイメージを持たない日本人は少なくない。海外でも、ナチス親衛隊の徽章を模した帽子をかぶってパフォーマンをしてユダヤ人権団体に抗議を受けたりと、歴史や人権問題に無頓着との評価もあります。ゆえに今回のような差別抗議には”どの口で言ってるの?”と違和を唱える人もいて、麻木さんのようになりふり構わぬ持ち上げぶりに反発する声が出てしまった。なんとも残念な流れですね」(前出・芸能記者)
アジアで最も影響力のある彼らが人種差別根絶を呼びかける意味は間違いなく大きい。でも麻木がこれまで、同様の主張に、たとえば大坂なおみらの差別抗議行動に反応したとはあまり聞かない。だとしたら、やっぱりBTSが言ったから心が震えたってこと…かも?
(塚田ちひろ)