橋田寿賀子さんが95歳で死去、89歳から始めていた「終活」が見事だった

 脚本家の橋田寿賀子さんが3月4日、急性リンパ腫のため亡くなった。各メディアは3月5日、一斉に報道。95歳だった。

 報道によると、橋田さんは2月下旬、都内の病院に入院。その後、3月中旬に熱海市内の病院に転院した。4月3日に熱海市内の自宅に戻り、翌4日に息を引き取った。

 橋田さんは「おしん」や「春日局」(共にNHK)、「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)など数々の人気ドラマを手掛けた名脚本家。ドラマのストーリーも素晴らしかったが、〝終活〟も見事なものだった。

 2016年8月の「週刊朝日」が橋田さんの終活についてインタビューしている。橋田さんは「立つ鳥跡を濁さず」と考え、89歳から終活を始めたという。蔵書の多くは熱海市の図書館に寄贈、新聞の切り抜きなどの資料もすべて処分。倉庫はモノであふれ、「バッグなんか数えたら120個も出てきました。もらい手がなかったバッグは、リサイクルショップに出したら四十数万円に化けました」とのこと。

「葬儀やお墓についても持論がありました。橋田さんは18年9月放送の『爆報!THEフライデー』(TBS系)に出演し、エンディングノートの内容を明かしました。葬儀は一切やらないとして『自分が葬式行くのが嫌だから。他の人も嫌だと思う。だからやりたくない』と理由を説明。お墓は『知らない人の所に入るのは嫌じゃない。ただでさえ姑だ、小姑だっていたのに、同じ所に入るのは嫌』と夫のお墓に入らないことも告白。熱海にある920坪の豪邸も一般財団法人・橋田文化財団に寄付すると言っていました」(芸能記者)

「立つ鳥跡を濁さず」の言葉通り、立派な旅立ちだった。

(石田英明)

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