世界遺産である中国の「万里の長城」で、20代の日本人男女が尻を出して写真撮影をしたとして中国当局に拘束、強制退去処分となったことで、《捕まって当然!》《日本人の恥だ!》等々、日本国内でも猛バッシングが起こったのは3月中旬のこと。
それとはケースが異なるものの、またもSNS上で《日本の恥だ!》《逮捕されるべき!》との声が噴出しているのが、韓国の人気グループ「BTS」のメンバー、ジンに無理やりキスした疑いで出頭を求められていた日本人女性を巡る一連の騒動だ。
コトの起こりは昨年6月13日、韓国・ソウルで行われたジンの「ハグ会」。ここで50代の日本人女性がジンとハグ中、突然顔を近づけ頬にキス。嫌がるジンの様子がSNSで拡散されたことで、韓国国内では「とんでもないセクハラ行為」として一部ファンが警察に告発。しかもこの女性、事件直後、自身のブログに《首に唇が触れた。肌がとても柔らかかった》などと綴ったことで、ファンの怒りもMAXに。結果、大勢のファンからの要請を受理したソウル松坡警察署が、公衆の場所での強制わいせつ容疑に該当する可能性があるとして、捜査に乗り出すという異例の事態となったのである。
韓国在住のジャーナリストが語る。
「周知のようにBTSはビルボードの記録を塗り替えるなど、世界を代表する韓国のスーパーグループ。そのため、ファンと直接接触できるイベントは極めて異例で、開催側も厳格なルールを設けていた。そのため、この行為が許されてしまえば、他のグループに対しても、なんでもありになる懸念は拭えない。つまり、単なる迷惑行為の範疇を超えていたということなんです」
韓国警察庁は翌7月、国際刑事警察機構(インターポール)を通じ、日本に捜査協力を要請。今年1月にはこの50代女性が日本在住であると特定し、「公衆密集場所での強制わいせつ」容疑で立件。2月下旬には韓国警察が女性に対し、性暴力処罰法違反の疑いで出頭要請を行ったことが、本国だけでなく海外メディアでも大々的に報じられた。
しかし、女性はこの出頭要請を無視。結果、容疑者が2カ月以上海外にとどまり調査が不可能な場合、捜査を中止することができるという捜査規則に従い、韓国警察は31日、この日本人女性に対する捜査中止の決定を発表したのである。
「韓国・聯合ニュースは『女性が出頭すれば、再び捜査を始める』との警察関係者のコメントを報じていますが、現段階で出頭しない人物が今後、出頭してくることは考えづらい。ただファンである以上、イベントなどで再び韓国を訪れる可能性はあるため、その時に警察がどう対応するかが注目されています」(同)
韓国には「国民申聞鼓」という嘆願サイトがあり、ネットユーザーらによる告発状はここを通じて受け付けているが、当局は捜査の過程でこの日本人女性のほかにも、別の女性がジンに対しセクハラ行為に及んでいた情況を把握。そちらは所在を突き止めるまでには至らなかったようだ。
「日本と異なり、韓国のファンの間では『アイドルとの距離感はきちんと保つべき』というルールや意識が定着している。しのためジンが行った『ハグ会』というのはかなり異例で、除隊記念という特別な状況の中だからこそ実現したイベントだったんです。そんな文化の違いを理解せず日本での距離感で接すれば、今後も必ずこういった騒動が勃発する。韓国開催のイベントで日本人が性暴力行為で逮捕、などとなったらそれこそ日本の恥。安易な言動はくれぐれも慎むべきですね」(同)
郷に入れば郷に従え。アイドルファンも文化や風習に沿った言動を…。
(灯倫太郎)