いよいよ3月21日に投開票が迫った千葉県知事選挙。3期12年を務めた森田健作知事(71)が、今期限りで退任を表明。そこで、ポスト・モリケンとして過去最多となる8人の立候補者が名乗りを上げることになった。
立候補者には、前千葉市長や元県議のほか、医師や元予備校講師、さらにはユーチューバーと多彩な顔ぶれが並ぶが、今月9日、10日に行われたNHKの政見放送では、個性あふれる立候補者らによる「ネタ見せ」さながらの“事故”が続出。
「9日の放送では、『千葉県全体を夢と魔法の国にする党』代表で、ユーチューバーの河合悠祐氏(40)が白塗りのピエロに扮し、九十九里浜のディズニーシー化構想をぶち上げたと思ったら、続いて登場した医師で無所属の加藤健一郎氏(71)は、『夢は知事選に当選し小池百合子知事と結婚すること』と公開プロポーズ。さらに10日には、『ベーシックインカム党』代表の後藤輝樹氏(38)が、『ちなつさん』という女性に愛を告白するなど、これが政見放送ですか?というまるで”ネタ祭り”状態。SNS上に《こりゃあ、間違いなく放送事故だ!》《うわ〜、まじでカオスだ!》といったコメントが並んだことは言うまでもありません」(地元紙記者)
13日に千葉テレビで放送された政見放送の「民放バージョン」でも、変わらずネタ見せエンターテインメントは続き、
「河合氏は冒頭、『5つの政策を提案する』と切り出したものの『1つ目は……え〜と、え〜と』と言葉が出てこないまま、5分30秒の持ち時間を使い切り、放送が終了。後藤代表が自作のラップを披露したかと思えば、トリを務めた加藤氏は『千葉のバイデンを目指す!』として、再び小池氏への求婚で締めくくる始末ですからね。おかげでほかの候補の政見放送を観る前にテレビを消してしまったという県民も多かったようです」(前出・記者)
いくらマイナー視されがちな地方選挙とはいえ、ここまでおちゃらけていいものかと心配になってしまうが、県内のある市民グループ代表が言う。
「県民の多くは、どうせ、立憲民主党が支援する元千葉市長の熊谷俊人氏(43)で九分九厘決まりだから、あとはマスコミに取り上げられて千葉が話題になればいいんじゃない、と冷ややかです。というのも、千葉県民は無策で有言不実行だった森田知事にほとほと懲りているため、誰が知事になっても、森田氏よりはマシだろうという気持ちが強い。森田氏は結局3期もやって、実現できたのは『海ほたる』を値下げしただけ。あとは、すべて絵に描いた餅だった。しかも、何か問題が起こっても、発言するたびにピントが外れているから、マスコミに叩かれる……。県民の中には、森田氏が知事だというだけで恥ずかしいという人も少なくありません。だから、ディズニー化構想をぶち上げようが、小池さんにプロポーズしようが、森田氏とどっこいどっこい(笑)、ま、好きにやらせておけばという感じなんですよ」
千葉県の選挙管理委員会によれば、県内の選挙人名簿登録者数は、約537万1300人。はたして21日、勝利の女神がほほ笑むのは……。
(灯倫太郎)