菜七子に続け!新人ジョッキー古川奈穂&永島まなみの「騎乗力」(3)買える馬券は?

 さて、デビューしたばかりの新人騎手だけが持つ特権、それが「斤量の軽減」だ。ここに新ヒロイン2人の「買える馬券」のヒントが隠されている。まず「審議」するのは、専門紙トラックマン。

「特に女子の場合は現在、免許取得後5年未満、50勝以下の場合は、ハンデ戦と重賞を含む特別競走を除いた一般戦で、4キロ減が適用されます。古川、永島ともに、当面の間はこれを生かすことが勝ちにつながるでしょう。一般的には特にダート、そして短距離戦で斤量減の恩恵が大きいとされます」

 東濱氏もこれに同意して、

「私が狙うなら、ダートの1800メートルまで。逃げ馬や前前で勝負できる脚質の馬であれば、食指が動きますね。恵量を生かして粘りこんでくれるかも」

 とりわけ栗東の調教師の中には、逃げ馬に減量騎手を乗せたがる傾向が強いという。矢作厩舎、高橋康厩舎はともに栗東所属であり、栗東の他厩舎の目に留まる機会も多い。この点は今後、彼女たちにとってもアドバンテージとなるはずだ。古川は背中に「−4」のロゴが印刷された厩舎服をみずからデザインし、熱心に関係者にアピールしていた。

「どうしたってまだまだ経験不足の2人ですが、デビューの『ご祝儀期間』が終わっても、意外と騎乗機会は減らない気がします。斤量のこともそうですが、『菜七子フィーバー』ほどではなくとも、話題の女性騎手に乗ってもらいたい馬主や調教師は少なくないですから。そうやってレースに慣れていけば、新しく出てくる課題をこなしつつ、徐々に成長していけるでしょう」(専門紙トラックマン)

 師弟関係も、成長を促す重要なポイントとなる。

「矢作厩舎は言わずと知れた名門。矢作師は面倒見のいい人で、全面的なバックアップ体制が整っています。所属の先輩となる坂井瑠星(23)を育て上げた実績も心強い。一方の高橋康厩舎は初めて所属騎手を受け入れる。預かっている馬は少ないですが、高橋師は元騎手。技術はもちろん、レースへの姿勢や普段の心構えなど、学ぶことは多いでしょう」(競馬担当記者)

 3月13日、阪神6R(3歳1勝クラス・芝1600メートル)。1番人気バスラットレオンに騎乗した古川は、先行したまま直線でも加速してゴール。12戦目で、記念すべき初勝利を挙げた。

 5年前、藤田は初勝利までに約1カ月を要し、年間6勝を挙げた。近い将来、女性騎手3人揃い踏みの激突も見られるだろう。新人2人は人気面だけでなく、藤田を脅かす存在になれるか。楽しみは尽きない。

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