道端アンジェリカ、小島よしお、渡部建をはじめ、有名人がこぞって取得している資格があります。その名も「ダイエット検定」。一般教養、歴史、栄養学、生理学、解剖学、スポーツ医学など、ダイエットに関するあらゆる分野の基礎知識をはかる資格です。
肥満になると、腰や膝を痛めるだけではなく、糖尿病、高血圧、心臓や脳の病気、ガンの発症リスクなどを高めることから、今や女性に限らず、男性にとってもダイエットは大きな関心事になっています。
ダイエット検定は年3回(3月・7月・11月)の試験があり、会場は各回によって異なりますが、東京・大阪・愛知・福岡など全国主要都市で開催されます。
試験区分は、2級(生活アドバイザー)、1級(プロフェッショナルアドバイザー)、さらにその上には特級のような位置づけのダイエットインストラクター(1級取得後、別途研修と試験が必要)に分かれており、私は2級を持っています。
それでは、実際に例題を見てみましょう。
〈問1〉現在、厚労省が採用している、身長と体重から肥満度を算出する判定基準(体格指数)は、①MIB、②BMI、③IBM、④MBIのうちどれ?
〈問2〉人間の体は主に4つの元素からできていますが、次のうち不適切なものは①水素、②炭素、③酸素、④酵素のどれ?
このような4択問題が中心となっており、公式サイトを見ると合格率は70〜80%。難易度の高い国家資格の栄養士・管理栄養士に比べれば、はるかに取りやすいです。得られる知識の幅も広いため、コスパのよい資格と言えます。例題の答えは、〈問1〉は②、〈問2〉は④となっています。
この資格の金銭的メリットを考えるうえで欠かせないのが、肥満と貧困の関係性です。アメリカの大手コンサルティング会社が発表した報告書では、世界全体の肥満による経済的損失(医療および生産性損失)は年間でなんと2兆ドル(約200兆円)に上るとか。
厚生労働省の調査では、年収600万円以上の男性の肥満率は25.6%なのに対し、年収200万円未満になると38.8%。肥満だから所得が低いのか、所得が低いから肥満になるのかという議論は必要ですが、肥満とお金は密接に関係しているのです。
その延長線上で考えると、この検定試験で得た栄養学の知識をもとに、栄養バランスを考えた食事を摂ろうとすれば、自然と外食する機会は減り、結果的に家計の節約につながる可能性があります。一方で、ネット上には、「1日たった100円、◯◯がダイエットに効く!」などといった記事が有象無象に存在しています。
そこで、もしダイエットの基礎知識があれば、玉石混淆の情報の中から必要なものだけを精査することができ、スリムな体とお金の両方が手に入るかもしれません。
(すずき・ひであき)