世の中には、一般的にはあまり知られていないマニアックな資格が数多く存在します。本連載では、そうした資格を取得することでどんな御利益があるのかを検証していきます。
さて、突然ですが、ここでクイズ。
〈問1〉通算死球数が最も多いのは清原和博の196個ですが、2番目に多いのは①竹之内雅史、②衣笠祥雄、③田淵幸一、④古田敦也のうち誰?
〈問2〉江本孟紀投手の引退のきっかけとなった「ベンチがアホやから野球がでけへん」発言。当時の監督は①ドン・ブレイザー、②村山実、③中西太、④安藤統男のうち誰?
こういった問題が出題される資格が「野球知識検定」。その名のとおり、野球のことをどれだけ知っているかを計るための資格なのです。
例題のように記録、歴史にまつわるものから細かいルールまで、幅広い知識が求められます。ちなみに、冒頭の問題の正解は、問1は①、問2が③となっています。
この検定は6〜1級まであり、受験料は4000〜5000円。2010年から始まった検定で、私も第1回目を受験して6級に合格しました。
試験当日の検定官はプロ野球OBが担当し、試験後はトークショーもあるため、球界の裏話などが聞けるのも楽しみの一つです。私が受験した時は、尾崎行雄氏、新浦壽夫氏、屋鋪要氏がご来場。屋鋪氏のサインボールをいただきました。
恐らく、多くの方は、「この資格を取ることでメリットはあるの?」と首をかしげていることと思います。しかし、野球ファンは日本に4000万人いるとも言われています。上司や取引先が野球好きだった場合、趣味の話に花が咲けば、出世や成約につながることもあるでしょう。
この野球知識検定以外にも、球団単位で独自に不定期で開催されている検定試験もあります。私の取引先に広島カープファンの人がいるのですが、「『球団公認・中国新聞カープ検定』というのがあって、今度受けようと思うんです」と話したら、「え、そんな資格があるんですか!」とすごい食いつきようでした(笑)。
また、野球に関連した仕事の一つに、草野球の審判が挙げられます。最近は、定年後の副業としても雑誌などで取り上げられていますが、ある審判派遣サービスのサイトでは、料金の相場は2時間4000〜6000円。週末となれば、野球場1面につき3〜4試合は組まれていますから、安定した需要が見込めるはず。
その際にもし、審判員の資格(講習を受けて取得)に加えて、野球知識検定の資格を持っていれば、固定客の獲得にあたって大きなアドバンテージになるかもしれません。野球好きならば取得して損はありませんよ。
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600