新庄に続く!? 佐藤輝明の背ネーム「SATO」が“世界基準”と呼ばれる理由

 期待通りの活躍をおさめれば、日米両球界での統一見解が生まれるかもしれない。

 注目のドライチルーキー、阪神・佐藤輝明外野手のユニフォームが“世界基準”であることが伝えられたのは、2月25日だった。背ネームが「SATO」となっている。当初は3位指名の同僚である佐藤蓮投手と区別するためと思われていたが、本人の希望でSATOとなったそうだ。

「佐藤蓮投手は『SATOH』です。新庄剛志氏に影響されたと話していました。メジャーリーグに移籍した際、背ネームが阪神時代の『SHINJOH』ではなく、『SHINJO』と表記されたので」(在阪記者)

 他球団の佐藤姓の選手は、最後に『H』がついている。

 佐藤外野手の背ネームについて説明されたとき、球団は“世界基準”なる言葉が使われたが、日本人名字の英語表記には曖昧な点も少なくないのだ。

 海外赴任を経験したビジネスマンによると、佐藤姓の人は「SATO」と表記していたそうだ。しかし、パドレスとマイナー契約を結んだ加藤豪将内野手は「KATOH」。メジャーリーグ選手名鑑(20年版)にも「H」がついていて、海外赴任経験者によると、斉藤姓も「H」がついたりつかなかったりで、統一された基準はないそうだ。また、佐藤姓だけが「H」を省略される決まりもないという。

「現地で生まれた井上姓の日系人は『INOUYE』と表記しています」(海外赴任経験者)

 ちょっと古いが、千葉ロッテ、巨人、オリックスにも在籍した韓国のイ・スンヨプ選手だが、WBCの韓国代表ユニフォームでは、「S.Y.LEE」だった。「李」姓の英語表記には、「Yi」「Ri」「Rhee」などもあり、どれが正しいということはない。

 当の佐藤選手だが、2月23日のDeNA戦で連続ヒット記録が止まり、対戦投手の厳しい攻めも口にしていた。練習試合の時点で相手ピッチャーが本気モードで投げてきたのは、ある意味、佐藤の実力を認めたからである。

 ペナントレース本番でも活躍すれば、東京五輪代表入りの可能性も見えてくる。そのとき、SATOなど日本姓の英語表記に関する見解についても話し合われるだろう。「H」をめぐる混乱を終わらせるのも、佐藤の活躍次第かもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ