阪神・渡辺諒の復帰で囁かれる「佐藤輝明スタメン落ち、二軍降格」の荒療治

 4月12日、巨人との“伝統の一戦”の試合前、阪神・岡田彰布監督は渡辺諒内野手と、左肩の違和感で開幕一軍メンバーから外れていた岩貞祐太投手をチームに合流させた。

「岩貞は先発、リリーフのどちらでもいける状態。ただ、セットアッパーで起用していた浜地真澄の失点が続いたため、そこに岩貞を使うと聞いています」(在阪メディア記者)

 岡田監督は14日からのDeNA3連戦から岩貞を合流させるつもりでいたが、巨人3連戦の初戦を落したことで「前倒しした」とも語っていた。

 その12日の公示を見ると、阪神が行った手続きは「岩貞の出場登録」と、不振の「浜地の登録抹消」。一軍登録人数「31人の上限枠」を全て埋めたままだ。そこで注目されるのが、渡辺諒を出場選手軍登録するときに、誰を落とすのか、である。

 渡辺は「新型コロナウイルス感染拡大防止特例2023」で登録を抹消された。通常ルールのように「抹消から10日間」を空けなくても一軍登録が可能となり、大方の予想は「渡辺が抹消されたときに代替選手として昇格した熊谷敬宥が落ちるのではないか?」である。だが、

「出番のほとんどない糸原健斗、打撃で結果を残せていない板山祐太郎の降格も同時に検討されそう」(前出・在阪メディア記者)

 その根拠は、岡田監督の発言にある。岡田監督は11日の試合後、渡辺らが合流することを質問されると、

「多少の(一軍メンバーの)入れ替えはあるかもしれん」

 と、答えていたのだ。

「岡田監督は渡辺の状態を気にしていました。ファーム戦に出てヒットを打ったと聞き、喜んでいましたよ」(球界関係者)

 渡辺の合流を心待ちにする理由は、佐藤輝明の打撃不振に尽きる。岡田監督の佐藤評は「バットの先っぽに当たっている」と辛らつで、三振を喫した場面でも「(スイングの)状態が悪すぎる」とコボしていた。

「岡田監督は主軸打者が不振に陥っても、打順を下げることはしないのが持論です。ダメならスタメンから外す、と。佐藤を使ってきたのは渡辺がいなかったから。佐藤を再調整目的で一軍登録から外すくらいのこともやるかもしれません」(前出・球界関係者)

 佐藤がスタメン落ちとなった場合、今の状態では代打、守備要員での起用も考えにくい。渡辺を録するとき、岡田監督は佐藤再生のプランも同時に“決断”しなければならないだろう。

(飯山満/スポーツライター)

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