「ヒルマイルド?」という女の子の問いに、「そう、薬局で買えるんです。ヒルマイルド!ヘパリン類似物質が乾燥肌に効く」と商品をPRするのはKing & Princeの永瀬廉。締めの「ヒ〜ル〜マイルド〜」というフレーズをテレビCMで一度は聞いたことがあるのではないだろうか。この乾燥肌の治療薬をめぐってひと悶着起きているというのだ。
皮膚の保湿や血行促進作用のある軟膏「ヒルドイド」を販売するマルホが、同有効成分を配合した健栄製薬の「ヒルマイルド」に商標権侵害と不正競争行為があったとして販売の差し止めを求め、大阪地方裁判所に1月21日付で仮処分申請を行なったことが明らかとなった。
「1954年に発売された『ヒルドイド』は、病院からの処方がなければ購入できない医療用医薬品。一方の『ヒルマイルド』は昨年6月に発売され、キンプリの永瀬廉がCMに出演していることでも話題の市販薬です。どちらも『ヘパリン類似物質』を配合した肌乾燥治療薬で、パッケージも白にピンクの差し色が入ったもので、見た目はソックリの印象を受けるかもしれませんね。いずれにしても今回の報道で、愛用者の間で大混乱が広がりそうです」(フリーライター)
販売差し止めを求められた健栄製薬は1月25日、「『ヒルマイルド』は特許庁に商標出願を行い、正式な手続きを経て商標登録されている」との声明を出し、「遺憾であり当社の信用と信頼を著しく傷つけ、損なう行為だ」と争う構えを見せている。しかしネット上では、《パッケージや名称も酷似しており、正直なところヒルドイド側の言い分は非常に理解できる》《ヒルマイルドってヒルドイドの市販版で、同じ会社が作ってるものとばかり思ってた》《商標は認められたので使えばいいけど、パッケージまで寄せる必要はなかったのでは?》《ヒルドイドがドラッグストアでも買えるんだって勘違いした人は一定数以上いるはず》など、訴え出たマルホ側に同調する声も少なくない。
「『ヒルマイルド』が『ヒルドイド』に何から何まで似ている印象であることは間違いありません。ただ、健栄製薬側が主張するように『ヒルマイルド』はすでに商標登録がなされているので、商標権侵害というのは難しいところではないでしょうか。また、不正競争についても処方薬と市販薬ということで同じ棚に並んでいるわけではないことから、こちらもなかなかハードルは高いというのが実情ではないかと思われます」(医療ジャーナリスト)
裁判の展開によってはテレビCMで永瀬の顔を見る機会は激減しそうだが、ファンにとってはトバッチリもいいところだろう。果たして法廷闘争の行方やいかに。
(小林洋三)