「おちょやん」に続き低視聴率発進の「おかえりモネ」はイケメン枠で逆転か

 5月15日に全115回の放送を終えて終了したNHKの朝の連ドラの「おちょやん」。だいたいは20%を超える朝ドラにあって17%台、時には16%台を記録することもあって、その度ごとに「視聴率が低い低い」とマスコミに書かれていたが、終わってみれば平均視聴率17.2%と、やはり低視聴率での幕引きだった。2011年からの10年間の上期と下期の20作品で20%を割ったのは、11年の「カーネーション」の19.1%と「おひさま」(18.8%)、15年の「まれ」(19.4%)、19年の「スカーレット」(19.4%)などで、17%台となると12年の「純と愛」の17.1%以来。

「『純と愛』は、ヒロインに『ポスト矢田亜希子』と言われて11年公開の映画『GANZ』では脱ぎの演技も厭わないことで話題になった夏菜を、その夫にはジャニーズの風間俊介というキャスティングで、脚本は大ヒットドラマ『家政婦のミタ』の遊川和彦によるオリジナルストーリーと、高視聴率は間違いないと期待されていましたが、結果は周囲の期待をよそに低視聴率で終わりました。主人公への仕打ちが酷かったり超能力が登場したりと、朝ドラにはそぐわないテイストの実験的な作品だったからです」(芸能ライター)

 一方の「おちょやん」は特に実験的ではないが、ただ問題は様々指摘されていて、いわく「ヒロインのモデルの喜劇女優・浪速千栄子がローカルな上にもはや知られていない」「その千栄子の生い立ちが壮絶で暗い」「前作の『エール』同様、時代が古い上に被っていて新鮮味がない」・・・と、いろいろな理由があった。

 そして分かりやすいところで言えば、脇を固める役者らが「渋い」と言えば聞こえは良いが、一言で言えば「華がない」というものだ。トータス松本、名倉潤、板尾創路、星田英利(旧芸名の「ほっしゃん。」)・・・といった顔ぶれを見ると、ウーン確かに。こういった顔ぶれに対し、「イケメンが少ない」という声も。もちろん同作は今をときめく成田凌をイケメン枠に収めたことで知られるが、1人だけでは物足りない。関西の話なのでツウ好みの配役なのかもしれないが、数字が跳ねないのも理解できる。
 
 そして代わって17日から始まった「おかえりモネ」なのだが、初回の数字は関東で19.2%の20%割れ。またもパッとしないもので先行きが心配される。だがイケメン枠の関係で言えば、同作はある意味要注目なのだという。

「キャストが発表された時に驚きだったのが、ジャニーズのキンプリ(King&Prince)の永瀬廉が出演するということです。近年のジャニーズの朝ドラ出演では、『スカーレット』にジュニア内ユニット・Aぇ!groupの正門良規、『あさが来た』(15年)にはジャニーズWESTの桐山照史とジュニア内ユニット・なにわ男子の西畑大吾の2人が出演していますが、15年にデビューしたキンプリはバリバリ感で格が違います。撮影スケジュールがタイトな朝ドラに、ジャニーズのスーパーアイドルが出演するのは異例ですから。NHKとしては、逆転のための秘密兵器投入ということなのかもしれません」(前出・ライター)

 ということは、出だしはイマイチだが潜在力に期待されるか。でも、「純と愛」でもジャーニーズの風間俊介で失敗しているだけに、アイドル人気だけではやはり心もとないか。

(猫間滋)

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