「高齢者のワクチン接種は早くても4月1日以降になる。自治体にはその日程で準備をしてほしい」
1月27日、河野太郎ワクチン担当大臣は記者団にこう語ったが、医療従事者を除いた一般国民は、いつワクチン接種にたどりつけるかわからない。ならば自衛のためにどうすべきか。ひとつの解答として注目したいのが「漢方薬」だ。開院から93年、漢方専門の診療を続ける「細野診療所・東京診療所」の細野孝郎院長が解説する。
「漢方医療の考え方としては、ウイルスなどの外敵がやって来てもはね返せる体を作る。仮に入ってきた場合はそれをなだめ、毒性を中和させる。そして体の奥にウイルスが侵入した時は便で出す。その3つが基本的な対抗策となります。大前提として、ウイルスに感染しにくい健康体を保っていることが重要ですが、コロナの場合は感染してしまったら進行が速いので、その3段階に有効な漢方薬を混ぜて使います」
中でも、日本感染症学会の特別寄稿文で有効性について言及されているのが「清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)」だ。
「漢方先進国の台湾で、国家中医学研究所のコロナ感染症治療のガイドラインにも『使用すべき漢方』として掲載されています。SARSの時にも使用された板藍根(ばんらんこん)という抗ウイルス作用のある生薬を使用したものです」(細野院長)
細野診療所もそうだが、日本人向けに調整した「清肺排毒湯」を提供する病院もあるというので、一考してはいかがだろう。
また、ウイルスのない環境作りも重要だろう。
昨年12月、国内照明メーカーで紫外線ランプを使用した空気清浄機を発売している「岩崎電気株式会社」が、広島大学病院、広島大学大学院ウイルス学研究室などとの共同試験で「自社製品の紫外線ランプがコロナウイルスの不活化に有効であることを確認した」と発表した。
担当者によると、
「当社製品は空気中に浮遊するウイルスを取り入れ、紫外線ランプによって殺菌し、循環させる仕組みです。もともと販売しておりました従来商品が『コロナウイルスの殺菌にも効果があるのか』というお問い合わせが多く、共同実験を実施することとなったのですが、結果として99.9%のコロナウイルスを不活化させることが判明しました」
紫外線によるコロナの不活化については、ニーズの高まりとともに、研究がどんどん進められている分野でもある。発光ダイオード(LED)の国内最大手メーカー「日亜化学工業」も昨年12月、光出力を高めたLEDで深紫外線を30秒間照射すれば、コロナを99.99%不活化させられる装置の開発に成功している。
「紫外線照射でコロナウイルスのRNA(リボ核酸)を破壊、ウイルスの複写(増殖)する能力を失わせることで不活化することができます。従来の水銀仕様の紫外線ランプに比べ、LEDは殺菌の効率では劣っていたのですが、今回開発した深紫外LED(波長の短い紫外線を照射するLED)は当社従来品に比べ、光出力が大きく向上しており、これまでにない殺菌パワーを有しています」(同社担当者)
LEDは消費電力や寿命の点で優れており、ランプに比べて小型であるため、設計の自由度も高い。担当者によると、今後はエアコンなど、より多くの生活家電への採用に向けて協議が進んでいるという。近い将来、「コロナ撲滅グッズ」が多数発売されることを期待したい。