北国出身者は「多形日光疹」に注意!単なる日焼けではない「日光アレルギー」の恐怖(2)

 外用薬はもとより、健康を保つために服用するサプリメントにも発症例アリ。

「かつて、整腸作用のある『クロレラ』のサプリで発症したケースがありました。ある会社がアルコール添加をして製造したことで、原因物質の『フェオフォルバイド』を過剰に生成したことが原因と言われています。今ではきちんとした規格基準を設けるなどして、管理製造されているようです。同様に、抗生物質や不整脈などの内服薬でアレルギー症状が出ることもあります。いずれも、必ずアレルギーを引き起こすわけではありませんが、症状が出ている場合は原因物質として考えるべき」

 一方、皮膚や粘膜を正常に保つ役割を持つ栄養が不足してしまうのも問題で、

「珍しいですが、『ナイアシン』という水溶性のビタミンが欠乏した『ペラグラ』という病気の人が発症したこともあります。よほどの低栄養状態でないとならないだけに、日本ではあまり想定されていませんが、1人暮らしでお酒ばかり飲んで食べ物をほとんど口にしない人は用心しないといけません」

 とりわけ、中高年男性に発症頻度が高いのが「慢性光線性皮膚炎」だ。

「皮膚が肥厚してゴツゴツした湿疹が出ます。メインの患者は高齢男性なのですが、はっきりとした原因は解明されていません。それだけに、治療法もステロイドや免疫抑制薬によるものになります」

 元々、日光に耐性がない人もご用心あれ!

「若い女性を中心に発症する『多形日光疹』は北国出身者にも多い。腕などの紫外線を浴びた部分に小さくて赤いブツブツができます。こちらは夏場だけでなく、春先にも現れることがあります」

 少しでも心当たりがあれば細心の準備を心がけるべきである。

「肌のコンディションに不調を感じたら、すぐに室内に移動してください。さらに言えば、室内でも窓際は避けた方がいいでしょう。窓ガラスは紫外線を通過してしまいますからね。また、白色の衣服は紫外線を通しやすい波長と言われています。なるべく黒色やネイビー色、かつウールやポリエステルのようなUVカットを期待できるものを着るようにしましょう。そして、必ず医療機関で診察を受けてください!」

 日光を体に浴びない生活は毒だが、体質に合わなければさらに猛毒にもなりうるのだ。

【日光アレルギー(日光過敏症)チェックシート(8)】

セルフチェックで4点以上は近くの医療機関へGO!

(1)太陽光に当たると蕁麻疹ができるが数時間で消える 1点
(2)日焼け止めや香水をつけてかぶれたことがある 1点
(3)抗生物質や不整脈の薬を服用している 1点
(4)ビタミン不足の自覚がある 1点
(5)太陽光に当たると1時間以内に皮膚トラブルが現れる 2点
(6)湿布をつけて外出してかぶれたことがある 2点
(7)太陽光が当たると肌が赤くなり、痒みが生じる 4点
(8)太陽光に晒された部位に発疹や水ぶくれができる 4点

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