緊急事態宣言で“悪夢”再び!? 購買意欲を刺激する「買い占め報道」の危うさ

 1月8日、新型コロナウイルス感染拡大の第3波を受けて、菅義偉首相は東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を対象に2度目となる「緊急事態宣言」を発出したが、前回のように買い占め行為が頻発することを懸念する声もある。

「昨年の緊急事態宣言発令時には、かねてから品薄状態が続いていたマスクや消毒液に限らず、トイレットペーパー、インスタントラーメン、乾電池など様々な日用品や食品が買い占めにあいました。その“悪夢”のような事態の原因はSNSに投稿された《◯◯が品薄になる》といったデマ情報にあると言われており、今回も十分な注意が必要です」(ITジャーナリスト)

 経済産業省はツイッターで「大手小売事業者などは、マスクやトイレットペーパー、飲料水、即席食品などが品薄とならないよう、既に在庫の確保を行っています。皆様、落ち着いた購買行動をお願いいたします」と呼びかけ、大手流通グループの「イオン」は物流倉庫に大量の商品が積み上がった写真を報道陣に公開して「在庫を心配せずにお買い物をしていただければ」と消費者に訴えているが…。

「今回は飲食店の休業や休校は要請されなかったことから、前回のような買い占めパニックはかなり減るのではないかと思われます。ただ、マスクや消毒液など一部転売が禁止されていたものが現在は解禁されているため、転売ヤーがSNSで品薄を狙ったデマ情報を流す可能性はあります。また前回の緊急事態宣言時では情報番組などが買い占めの映像を流し続けたことで、より買い占めが増幅したとの専門家の意見もあります。テレビもインパクトの強い映像を求めるあまり、周囲にスーパーや小売店がなかったりして棚が空っぽになりそうな店舗ばかりを取材しがち。買い占め報道にはけっして惑わされないことです」(経済評論家)

 実際、SNS上でも《メディアが買い占めてる映像流すから、購買意欲を刺激されて買い占めが起きる》《空っぽの棚とか映像で流すとか、買い占め助長しているようなもんだからマジでやめてほしい》と、テレビの報道姿勢をいさめる声があふれていた。

 再び冷静な判断が求められる。

(小林洋三)

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