定食チェーンの「大戸屋」が大戸屋ランチ定食の価格を50円値下げすることを検討していることが大手メディアの報道によって明らかになった。早ければ来年2月にも実施するというが、ネット上では50円の値下げに対して賛否の声が相次いでいる。
「大戸屋は今年9月に株式公開買い付け(敵対的TOB)が成立したことで、『牛角』や『かっぱ寿司』を運営するコロワイドグループの傘下となりました。この買収劇によって、材料を共同で仕入れるなど経費削減をおこない、ランチ以外のメニューも順次値下げしていく予定だといいます。TOB成立後は大戸屋HDの新社長に就任したコロワイド専務の蔵人賢樹氏や創業者長男で取締の三森智仁氏らがたびたび値下げに言及していましたが、ようやく実現に向けて第一歩を踏み出したといったところでしょうか」(フードジャーナリスト)
しかし、これにネット上では《ようやく庶民の価格帯に歩み寄ってくれそう》と好意的なコメントがある一方で、《50円くらいの問題じゃないんだよね、その値段だったら他の店探してみようかって感じる価格なんだよ》《50円値下げしたら戻ってくる客もいるかもしれないが、限定的では。まあ、あまり影響ないだろうな》《他チェーン店に比べて元が100円くらい割高感があったから50円の値下げで客足が戻るかは難しいかも…》といった意見が数多く見られる。
「智仁氏は『早期に料理の値段を100円程度下げたい』と公言していたので、50円の値下げでは正直弱いかもしれませんね。そもそも、『大戸屋』はここ数年の値上げによって600円台で食べられた定食が800円〜900円台がメインとなっているので、100円の値下げでもそこまで大きなインパクトはない。たとえば、さばの炭火焼き定食を50円値下げしたとして840円(税込)となりますが、ライバルとされる『やよい軒』ではサバの塩焼定食は670円(税込)で、そのうえ9月17日からは全店舗で無料の“だしサービス”をスタートさせ、無限だし茶漬けが楽しめると話題になっています。お得感でもアイディア面でも、物足りないと言わざるを得ません」(前出・フードジャーナリスト)
このままでは、再建までには遠い道のりか?
(小林洋三)