「なか卯」が40円値下げを実施したり、エッグショックの影響で「吉野家」が今春の販売を見送ったりと何かと注目が集まる親子丼。そんな中、味と価格を踏まえた上で、どのチェーン店の親子丼が優れているのか。記者が実際に食べ比べをして、独断でベストスリーを選んだ。
3位 やよい軒「地鶏親子丼～阿波尾鶏～」（740円・味噌汁付）
やよい軒の親子丼は阿波尾鶏という徳島県のブランド鶏を使用している点と大盛りが無料で選べるのが魅力。ただ、ご飯を大盛りにすると具とのバランスが悪くなるというところが難点か。ところが余ったご飯に無料提供されている出汁を入れ親子丼茶漬けにすると見事に味変、さっぱりとして上品な鶏雑炊に大変身する。
2位 大戸屋「炭火焼き鶏の親子丼」（760円）
今回紹介する中で最も価格が高いが、それだけに丁寧に作られていることが感じられる。炭火でこんがりと焼かれた鶏肉は肉の旨味と香ばしさが口いっぱいに広がり、比較的しっかり目に火入れされた溶き卵とのバランスが良い。割り下はすっきりとした優しい味付けだが、添えられた山椒を入れればピリッとして刺激も加わる。鶏肉がゴロゴロと入っているのでボリューム的にも申し分なく、単純に味と満足感で言えば1位でもおかしくない。
1位 なか卯「親子丼」450円
この価格でこの親子丼とは、もはや反則級と言っていい。卵は2段階で投入しているのか、しっかりと火が通ったところと半熟のところがあり、食感の違いを楽しめる。鶏肉は柔らかく、濃い口甘めの割り下がつゆだくにかけられているので、ご飯が進む。値段が安い分、追加で生卵を入れたり、食べるラー油や青ネギを加えたりと自分の好みにカスタマイズしやすいのも嬉しいところ。店にいる客のほとんどが親子丼を注文していたが、それも納得のクオリティだ。
個人の好みで選んではみたものの、材料費や光熱費が高騰するなか、各社それぞれ工夫をこらしている。そんな違いを楽しみながら、親子丼巡りをしてみてはどうか。
（小林洋三）
