大阪・梅田の待ち合わせ定番スポットとして知られる「泉の広場」で、昨年から今年にかけ、10代から60代までの女性計61人が、男性に“体を売った”として、大阪府警により現行犯逮捕されていたことが12月5日、共同通信の報道で明らかになった。大阪在住の情報誌ライターが語る。
「この広場は1970年に噴水が設置され、梅田地下街のシンボルとして親しまれてきたのですが、階段を上がった先に大融寺町、兎我野町のホテル街があることから、古くから『街娼の聖地』として知られていました。ただ、幾度となく警察の大規模な手入れがあり、さらに噴水が撤去されてからは、そうした商売女性も姿を消していた。ところが、昨年に大規模改修され、再び待ち合わせ場所として利用されるようになり、彼女たちもまた再びここへ戻ってきたというわけなんです。今風に言えば路上パパ活といったところでしょうか」
大阪府警は地元商店主らの苦情を受け、昨年5月から今年2月にかけ、取り締まりを強化。すると、京都や兵庫など近県在住の”常連”だけでなく、香川や長崎から”出稼ぎ”で仕事に来たピンク嬢や普通のOL、学生、主婦らが捜査の網にかかったというわけなのだ。
「『泉の広場』に出没する女性たちは、決して自分から声を掛けてくることはありません。なので、交渉するには客側から声を掛けなければなりませんが、基本的な相場は口だけの場合が3000円から8000円、“最後まで”というサービスが10000円~20000円といったところで、これにホテル代がプラスになります。ただ、値段はあくまで相場なので、避妊具の有無などによって価格が多少は上下するため、最終的には交渉次第といったところでしょうか」(前出・ライター)
ところで、この広場は、街娼のメッカとして知られる一方、都市伝説の超有名スポットとしても古くから知られているのだという。前出のライターが続ける。
「その都市伝説というのが、赤い服を着た通称『赤い女』の出没情報なんです。いつ頃から目撃談が囁かれるようになったのかは不明ですが、きっかけは、2002年6月21日、巨大ネット掲示板に投稿された書き込みだとされています。通勤のために泉の広場の前を通っていた投稿者は、髪が長く小柄で、いつも赤色の古めかしいドレスのような服を着ている30歳前後の女性を目撃していた。で、ある日の仕事帰り、投稿者が、“赤い女”が噴水ごしにこちらを睨んでいることに気づくと、次の瞬間、体が金縛りにかかったように硬直。すると、その女が異様な素早さで近づいてきて、その顔を覗き込むと、眼球はすべて黒目に変わっていたという…口裂け女的な都市伝説なんですね。ところが、この体験談が大きな反響を呼び『自分も似たような女を知っている』『女にまつわる奇妙な体験をした』等々の報告が続出。すぐに『大阪泉の広場に出る赤い女』なる専用スレッドまで立てられたんです」
今回の街娼逮捕に関する報道でネット上では『あの”赤い女“も逮捕されたのかな』『もし逮捕されてたら目撃情報もなくなるだろうな』といった声が相次いでいた。この”赤い女“の正体は街娼で、男に騙されたせいで奇行が目立つようになったという話もあるが、
「実在したのか、まったくの作り話なのかは定かではありません。ただ、今回の逮捕騒ぎで、また『泉の広場』にダーティなイメージがついてしまいましたからね。地元の商店主は『こんなんで有名になるんなら、まだ”赤い女”の都市伝説のほうがマシやった』なんてこぼしていましたよ」(地元紙記者)
約20年の時を経て再燃した「赤い女」の都市伝説。いずれにしても広場周辺の治安が保たれることを願いたい。
(灯倫太郎)