タレントのラサール石井が大阪府の吉村洋文知事に向けて「大阪府民全員PCR検査」を提案したことに対して、全国からの批判が殺到している。石井は5月7日、「大阪府民全員、無理なら大阪市民全員にPCR検査をして(無論強制ではなく)真の陽性率を出して下さい」とツイート。これが新型コロナウイルス陽性率の指標になると主張している。
その6時間半後に、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏が「誰かこの方に統計学という学問がある事を教えてあげて下さい」と反論のツイート。その理由として「テレビの視聴率調査も全世帯に調べないとわからないとかいうタイプの人ですかね」と指摘したのである。
「長谷川氏が言う視聴率調査では、関東地区の1600万世帯を対象に900世帯で計測器を設置。これで統計上は3%弱の誤差に収まることになり、この調査結果を広告代理店などあらゆる業界が信頼して採用しています。これと同じ誤差で日本国民の陽性率を算定するには、約7000人のPCR検査で済む計算。誤差を1%に収めるならその10倍、7万人の検査結果が必要となりますが、それでも石井の求める大阪府民全員検査に比べれば100分の1以下で済むことになるのです」(週刊誌記者)
石井に噛みつく形となった長谷川氏は当初から「新型コロナは強めの風邪」と主張するなど、新型コロナに関する知見には疑問符を付けられていたようだ。
「長谷川氏は日本における新型コロナウイルスの真致死率は0.05%と計算。インフルエンザ以下だとしたうえで『とてもロックダウンを必要とする数値ではありません』『もはや普通の風邪とほぼ変わらないレベル』と主張しています。しかし計算で得た数字に囚われるあまり、『普通の風邪では医療崩壊を起こさない』『ロックダウンした上での数字だって分かってる?』などと当然の反論を喰らう始末。新型コロナでは軽症者ですら地獄の苦しみを味わうとされ、インフルエンザや普通の風邪とは比べ物にならないくらいのは明らかでしょう」(前出・週刊誌記者)
“目くそ鼻くそを笑う”ではないが、石井にしても長谷川氏にしても、国民からの信頼はなかなか得られないようだ。
(北野大知)