「首相動静」に“スガノミクス銘柄”のヒントが!?「安倍政権への意趣返しも」

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 10月9日、アメリカ大手総合情報サービスのブルームバーグが、こんなタイトルでスガノミクス銘柄に関する記事を配信した。

 それによれば、10月6日に菅首相がネット関連企業のGMOインターネットの熊谷正寿・会長兼社長と会食。熊谷氏がこのことについて、「デジタル改革について協議した」とのツイートをしたところ、GMOインターネットの株が8日に5.5%急伸した後、5%で引けたという。

 7日はまだ1.7%の伸びだったが、8日を経て9日にはグループ会社のGMOメディアやGMOフィナンシャルゲートなども上がり、後者は制限値幅いっぱいの24%高まで上昇したという。

 実際の首相動静を見れば、当たり前だが確かに19:10から20:10まで首相は銀座の「薪(まき)焼銀座おのでら」というレストランで同氏と会食している。では翌日はと見れば、首相御用達の永田町、ザ・キャピタルホテル東急で、葉田順治・エレコム社長、野島広司・ノジマ社長、吉田憲一郎・ソニー社長、瀬戸欣哉・LIXIL社長と会食している。

 動静は毎日確認できる。さて、それらの面々をどう見るか。

 首相就任以来に首相がやはり会食をしてきた面々をチェックすることは、今後の経済政策を伺う上で一定の指標になるだろう。

「菅さんが首相になってから最初に面会した経済人はパソナ会長の竹中平蔵さんでした。それから金丸恭文・フューチャー会長兼社長、新浪剛史・サントリーホールディングス社長など。いずれも政府の諮問会議などのメンバーで、この3氏に至っては安倍首相が議長を務めた未来投資会議のメンバーです。最近、菅さんの経済ブレーンとして盛んに取り沙汰される、『新・観光立国論』の著者で、中小企業の統廃合などを唱えているデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)とももちろん会っています」(全国紙記者)

 ちなみに、安倍首相が議長を務めた同会議は9日に廃止されて成長戦略会議に様変わりした。

「経産省内閣と呼ばれていた安倍政権では、これらの会議も経産省出身者が仕切っていました。菅さんはそんな経産省派と対立していたので、意趣返しの意図があるのでしょう。だからこそどんな人と会ってどんな経済政策を打ち出すかに注目が集まっています」(全国紙記者)

 やはり首相動静から目が離せなさそうだ。

(猫間滋)

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