感染アイドルが明かす“コロナ後遺症”の現実「米は虫みたい」「急に倒れる」

 第2波、第3波とぶり返すのが新型コロナウイルスの脅威だが、陽性患者にとっての第2波は「後遺症」という新たな辛苦だった。その現実は、感染症状そのものからは想像しがたい、驚くべきもの。患者たちの生々しい証言が、その深刻度を物語っている。

 9月10日、東京都は都内の新型コロナ警戒レベルを最も深刻な「感染が拡大している」から1ランク下の「再拡大に警戒が必要」に引き下げた。23区内の飲食店の営業時間短縮要請は9月15日で終了し、イベントの観客規制も緩和されることに。通勤電車も混雑し始め、春に中止した運動会を企画する小中学校も登場した。徐々にではあるが、コロナ前の日常生活に戻っているように見える。

 だがその一方で、待ち望んだ日常生活が戻らない人たちもいる。「コロナ後遺症」に悩む人たちだ。新型コロナウイルス感染の陽性判定後、入院・療養を経て社会生活を再開したものの、コロナ以前にはなかったさまざまな症状に苦しんでいる。

「食欲がなくなりますね。特に白米とハンバーグが気持ち悪くてしょうがない。吐き気もします」

 そう告白するのはグラビア系アイドルの高橋央(ちか・22)だ。彼女が新型コロナ陽性と診断されたのは8月中旬。都内の感染者数が連日300人を超える第2波の渦中だった。

「通常は2、3日で退院するそうですが、私は中等度だったそうで、入院は12日間でした。最初は何も症状がなかったのですが、ファンの人が感染したと知り、心配になって地元の保健所に連絡したら、自宅待機のあと、PCR検査をすると言われました。熱が37度5分近くまで上がり、翌日には匂いも味もわからなくなっていました」

 コロナの感染症状としてよく耳にする、発熱と味覚・嗅覚異常である。このほか、投薬が必要な頭痛にも悩まされ、9月1日に退院してからもそれは続いている。

 続けて明かすには、

「今は日によって味や匂いを急に感じなくなったり、戻ったりしています。味覚や嗅覚がなくなると、口の中に入れた食べ物の食感しかない。白米は虫みたいに思えるし、ハンバーグは肉の塊にしか感じません。主治医には2、3カ月は続くでしょう、と言われました。今はウイルスが体から出ていくのを待つしかない。自然治癒を信じて‥‥」

 ここで記者は、彼女の不思議な発言に首を傾げた。「ウイルスが体から出ていくのを待つ」と言うが、治癒して退院したのではなかったのか。

「退院の条件は37度5分以上の発熱が72時間出ていない、咳が出ない、でした。退院時にPCR検査は受けさせてもらえなかった。実は今、PCR検査をすると、陽性になるんです。ただし、残っているウイルスに感染力はもうありません。人にうつすことはないけど、ウイルスは持っている。そんな状態です」

 もう一人、後遺症に悩むグラビア系アイドルが、競泳水着とハイレグの女王・稲森美優(31)だ。7月に新型コロナ陽性と診断された。幸いにも症状は軽く、自宅療養で済んだが、

「自宅療養が解けてから1カ月ぐらいは、急に発熱する日がありました。以前は階段を上っても疲れることはなかったのに、息が上がったり、ちょっと外出しただけでも疲れました。胸がゴロゴロする、息苦しくて歩いたあともハアハアする。全身症状です。インフルエンザの倦怠感の強いバージョンですね。今はもう、疲れやすさに慣れてしまいました」

 彼女の知人もまた、コロナ陽性判定を受けているというが、

「もともと肺が弱くて、コロナ感染後は急に倒れる後遺症に悩まされています。立っていたら突然、体の力が入らなくなって崩れる、と言っていました」

 本当の“日常”を取り戻せるのはいつの日か。

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