脳裏には3年前の死球乱闘劇が!? 阪神・藤浪“因縁の対戦”で初白星なるか

 5度目の挑戦で、復活勝利となるのか…。阪神・藤浪晋太郎投手は8月14日の広島戦に先発したが、6回8安打4四球6失点とふるわず、敗戦投手となった。過去4回の先発登板で勝ち星ナシ。「今回も勝てなければ、再調整の名目で再び二軍降格も?」なんて声も聞かれたが、やはり、苦難のシーズンとなりそうだ。

「次回の登板はおそらく22日の神宮球場、それも『因縁のヤクルト戦』です」(在阪記者)

 藤浪は7月30日の同カードで先発登板している。そのときは6回まで1失点と好投したが、味方野手陣のエラーで黒星を喫している。また思い出されるのが、2017年4月4日の試合だ。藤浪はヤクルト・畠山和洋(現二軍コーチ)の頭部に死球をぶつけ、結果、両軍のナインやコーチ陣が入り乱れる乱闘騒ぎに発展した。制球難の「イップス」が囁かれるようになった因縁の対戦カードでもある。

「畠山との一件はもちろん、前回の神宮球場での登板では味方野手に足を引っ張られ、藤浪はヤクルトにイヤな印象を抱いているのは間違いありません」(前出・在阪記者)

 矢野燿大監督も藤浪に勝ち星をつけさせてやりたいと思うのなら、別の対戦カードで登板させてやればいいのだが…。もっとも、味方野手のエラーや打線の援護にも恵まれない状況について、「ボール球が多いから、自ずと味方が守備に着く時間も長くなり、攻撃面の集中力を削いでいる」との指摘も聞かれた。

 前回4度目の登板では、こんな光景も見られた。新型コロナウイルスの感染防止策で観戦中の声援はNGとされているが、「ガンバレ!」「勝ってくれ!」とのエールが聞こえた。虎ファンはどこまでも好意的だが、矢野監督は逆転の優勝を関西メディアに話していた。因縁のヤクルト戦の結果次第では、やはり、藤浪にとって再び二軍降格という“再試練”を迎えそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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