「大量のレジ袋を家にストックしていたのですが、やはり7月に入ってからどんどんなくなっていくばかり。以前はスーパーやコンビニで何も言わなくてもレジ袋がもらえたのに、ちょっとしか買わない時はどうしても『結構です』と遠慮してしまう。この夏場には生ゴミの処理にも気を使いますからね。そのままゴミ袋に入れて、もしも破けたら…と思うと、どうしてもレジ袋って必要だなと思いますよね」
都内在住の主婦の頭を悩ませているのは、家庭内のレジ袋不足だった。彼女はこれまで、炊事などでできた家庭ゴミは、一度レジ袋に入れて口を縛り、それらをゴミ袋でひとまとめにしてゴミ出ししていたという。だが、7月1日から特例をのぞいてレジ袋の有料化が義務付けられたことで、これからのゴミ出しの仕方にも変更を余儀なくされそうだという。
こんな悩みを抱える人は多いのか、フリマアプリなどでは大量のレジ袋が出品されていた。レジ袋の「転売ビジネス」を副業にしているという30代の男性会社員に話を聞くことができた。
「金儲けというよりも人助けっていう意識のほうが強いですかね。レジ袋って聞くと、スーパーなどでもらった“中古品”と勘違いされる方がいるかもしれませんが、それだとかさばってしまって、とても売り物になりません。自分の場合、ちょうど歩いて数分のところにパッケージ用品の専門店があって、そこに行けばLLサイズの100枚セットが300円台で手に入るので、それをメルカリなどで600円そこそこで売っています。送料や販売手数料を引けば、儲けは1回の取引でせいぜい80円くらいですかね。東京にくらべて、こうしたパッケージ用品を扱う店が少ないのか、わりと地方からの注文が多いですね」
発送の手間などを考えれば、とても割に合わなそうな副業だが…。儲かる秘密は“達人”ならではの交渉術にあった。
「じつはいつも購入しているパッケージ用品店の店長と仲良くなって、事情を話したら大量購入すれば、かなり割引してくれることになりまして…。現在の仕入れ原価は100枚250円ほど。1週間にだいたい50件くらいの注文が入るので、6000円くらいの利益になっています。月にしたら2万5000円くらいですかね。こういうご時勢なので少しでも貯金にまわしたいと思っています」
もしも近所に新品のレジ袋を販売している店舗を発見したら、挑戦する価値はあるかも!?