「マスク転売解禁」で非難轟々!安倍政権の狙いはアベノマスク在庫処分か

「変わってましたね、安倍さん。やっぱりマスクを洗濯しすぎてボロボロになっちゃった?」

「サンデージャポン」(TBS)で、MCを務める爆笑問題の太田光が“アベノマスク”から“ホカノマスク”へ変えた安倍晋三首相を、こう皮肉ったのは8月2日のこと。

 安倍氏は今年3月下旬から、政府が各世帯に配布した布製マスク、いわゆる「アベノマスク」をつけ続けていたが、どうしても顎がはみ出してしまう“極小サイズ”のマスクには、野党だけではなく与党議員からも失笑が漏れていた。

 それでも4カ月、頑なにマスクを別のものに変えなかった安部首相に、いったいどんな心境の変化があったのか……。政治シャーナリストが語る。

「政府関係者によれば、安倍首相がアベノマスクを卒業したのは、『マスクの需給が逼迫しなくなり、一段落したと判断した』というのが、その理由とされていますが、そのアベノマスクはほとんど利用されていないのが現状。そんなマスクを、なぜこのタイミングで8000万枚も追加配布する必要があるのか……。この追加配布については撤回したものの、明らかに税金の無駄遣いとしか考えられません」

 しかも、政府はマスクの品薄状態が改善されたとして、8月中にも転売規制を廃止する方針だと報じられている。

「政府は、転売目的でのマスクの買い占め行為を排除するため、3月10日に国民生活安定緊急措置法を閣議決定し、15日から罰則を設けた規制を実施してきました。ただ、この規制は、あくまでも新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一定期間に限った緊急的な措置で、必要性がなくなったと判断された場合は解除すべき性質のもの、というのが政府のスタンス。でも、法律で足かせをつけたからこそマスクの価格が落ち着いたわけですからね。廃止したら、また悪質な転売ヤーが現れ、品薄になる可能性は十分考えられる。ところが、加藤厚労相に言わせれば『(また)高額転売が横行すれば、転売規制の再実施を検討する』と。アベノマスクの追加配布しかり、なぜ、今でなくてはいけないのか? 本当に、この一連の”行き当たりばったり政策”には、開いた口が塞がりません」(前出のジャーナリスト)

 これらの報道を受け、SNS上で疑問と批判の嵐が渦巻いたことは言うまでもない。

《全くもって理解ができない》《政府は、コロナ対策で買い占めた多量のマスクを転売したいから転売解除をしたいのでは?》《アベノマスクを拒否した国民への報復だ》《そこでアベノマスクを使わせる政府の陰謀だろう》

 有名人も黙ってはいない。麻木久仁子はツイッターで《本日(31日)東京463人感染確認。コロナ禍収束の気配もないどころか、ますます拡大の最中に、マスク転売屋に塩を送る本邦政府》と不安を口にすれば、つるの剛士も《これだけ転売で困ってる人が沢山いるのに、わざわざ廃止にする理由が知りたい》とツイッター上で疑問を投げかける。

「解除して転売が増え、また3月の頃のような品薄になってマスクが“貴重品”になれば、政府が追加配布する布マスクもありがたみは増す。つまり、転売ヤーを悪者にして布マスクを送りつける大義名分が得られるわけです。ただ、この解除により、いままで当選者以外購入できなかった、当選確率100倍という人気の『シャープのマスク』も転売市場に出回ることは必至。また、3月の頃のような混乱が起こらないことを祈るばかりです」(前出・ジャーナリスト)

 転売ヤーを応援し、医療崩壊よりもGoToトラベルキャンペーンを推進している、と捉えられても仕方がないような行動が目立つ安倍政権に、国民のイライラは募るばかりだ。

(灯倫太郎)

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