今、競馬界では「若手ジョッキー旋風」が吹き荒れている。全国リーディング岩田望来が6位に入り、21位までに23歳以下の若手が5人も名を連ねているのだ。リーディング上位のルメールと川田も絶対ではない。万馬券を演出する「7人衆」の狙いどころを見定めて、ガッポリと儲けよう。
7月8日、大井競馬場で行われたGⅠジャパンダートダービーを6番人気のダノンファラオで制し、GⅠ初勝利を飾った坂井瑠星(23)。2番手追走から鮮やかに抜け出した騎乗ぶりに、多くの競馬関係者から称賛の声が聞かれた。スポーツ紙記者が振り返る。
「地方交流GⅠとはいえ、C・ルメール(41)や武豊(51)など、JRAのトップジョッキーを相手に理想的なレースでした。所属先の矢作芳人調教師からの『行けたら行け』の指示どおり、2番手で折り合いをつけての完璧な騎乗。父の英光氏が大井の元騎手で現調教師なので、コースに対する知識もプラスに働いたとは思いますが、豪州で武者修行した成果が表れましたね」
坂井は17年11月から約1年間、自主研修として豪州に渡って通算16勝をあげ、GⅠレースにも騎乗。その経験が実を結んだわけだが、成長ぶりは数字からもうかがえる。「週刊アサヒ芸能」連載コラムでおなじみの伊吹雅也氏が解説する。
「18年12月に帰国しましたが、それ以前の複勝回収率が65%だったのに対して、帰国後は90%にアップ。配当的な妙味がグッと増しました。昨年10月、11番人気のドレッドノータスで京都大賞典を制していますが、特にノーザンファーム生産馬に騎乗した時の成績は優秀です。前走11着以内の馬に限れば、複勝回収率は114%(3着内率37%)。修行の成果が確実に出ていると言ってもいいでしょう」
坂井が「社台軍団」なら、「マイネル軍団」から信頼を寄せられているのが現在、東のリーディング2位(7月12日終了時点、以下同)の大活躍をみせる横山武史(21)だ。美浦トレセン関係者が話す。
「そもそも所属先の鈴木伸尋調教師は『(依頼がくれば)有力馬に乗れ』と、自厩舎に縛るようなことをしなかったし、レース映像を見ながら典さん(父の横山典弘・52)からいろいろアドバイスをもらっている。典さんも『上(長男の和生・27)は理論派で、ひらめきみたいなものは(武史が)俺に似ているかな』と話していたけど、武史はスタートセンスがよくてポジション争いもシビア。馬主側の細かな指示にも応えるから、マイネル軍団に気に入られているんです」
今年4月にはウインマリリンでフローラSを制し、6月の新馬戦では、単勝109.3倍(8番人気)のウインアグライアで大穴をあけている。
「マイネル系でも馬主がウインの馬に絞ると、デビュー以降の複勝回収率は119%(同33%)に達しています」(伊吹氏)
二世ジョッキーにも注目だ。