中国マスクメーカーの多くが破綻の危機にさらされていると、複数の中国メディアが報じている。「環球時報」の英字紙「グルーバル・タイムス」によれば、中国国内でのマスク価格が急落、メーカーの95%は年末までに姿を消すだろうと予測している。
「新型コロナウイルスにより中国当局が防疫製品の生産に参入した企業に補助金を出すと発表したところ、今年2月末までにはマスクを生産するメーカーは数百社から1万社以上に急増。そのため1日あたりのマスク生産量も1億枚以上となり、中国産マスクが外交手段として世界各国へと送られた経緯があります」(社会部記者)
しかし、急ごしらえした中国産マスクは国際的な衛生基準を満たしていないものがほとんで、3月末にオランダの保健所が中国から届いた130万枚を粗悪品と認定して送り返したのを皮切りに、4月にはフィンランド政府が200万枚を不良品として使用を中止。カナダ政府でも100万枚を中国へ返品するなど混乱を招いた。
「これに中国当局が指導に乗り出し、中国マスクメーカー約95%の海外へのマスク輸出を禁止。国内でマスクがダブつき、マスク用原料の不織布『メルトブローン』の価格も暴落、多くのメーカーが破綻に追い込まれたのです。こうした状況にSNS上では《完全に自業自得だろう》といった失笑の嵐が巻き起こっています」(ITジャーナリスト)
今後、日本でも中国産マスクを目にする機会は減るのかもしれない。
(小林洋三)