「自転車にナンバーつけていいんじゃないかと思う。登録番号とかあるはずですから、でも、それはドライブレコーダーで録っても見えません。なので自転車にも番号をふってナンバープレートをつけておくと、ドライブレコーダーで録られるとわかれば相当抑止になるのでは」
6月17日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で持論を述べたのは同番組コメンテーターの玉川徹氏だ。その日、6月30日に施行される改正道路交通法を特集。自転車による「逆走」や「幅寄せ」「急な進路変更」など7つの危険行為が自転車の「あおり運転」として摘発対象となることを伝え、この発言につながった。
すると、SNS上には《自転車のナンバープレート賛成!特にウーバーイーツの自転車、いい加減にして欲しい。夜間の無灯火走行、ケータイの地図を見ながら路地の交差点からの飛び出し、本当に危ない。暴走事故が起きたら誰が責任取るんだ?》《ウーバーイーツみたいな業者の自転車乗りには免許証を設定すべき!原付も免許証あるんだから、業務用自転車に関しては免許証作ってもらいたい》 と、ウーバーイーツの配達員から”危険行為”の被害にあったというユーザーたちの声が続々あがった。
自転車専門誌のライターがため息混じりに語る。
「外出自粛が求められるようになり、都内ではウーバーイーツの需要が急拡大。それによって配達員らの危険運転による”被害”が急増するようになりましたが、理由は、免許も取らない、車を持たないという、いわば交通ルールを学んでいない若者たちが、いきなり自転車に乗って、“これを運んで○○○円”“あと1時間以内に○件やらないと目標に達しない”と、配達に没頭しているからでしょう。これでは周囲が目に入らず、事故が増えるのは当たり前です。つまり、彼らの多くが、いわば “自転車の素人”。そんな素人に対し、ウーバーイーツではスマホに“ルールを守りましょう”と提示することで、“教育をしている”と言っているんですからね、無責任も甚だしいですよ」
そんななか、今回の改正法では危険行為で3年間に2回以上摘発された場合(14歳以上の運転者)、運転者は安全講習の受講命令を受け、受講命令に従わなければ「5万円以下の罰金」が科せられることになる。
「ウーバーイーツは以前から対人・対物補償はあったものの、配達員本人の事故については、あくまで自己責任として補償すらなく、昨年10月、ようやく“配達中に限り上限25万円”の医療費が出るようになりました。ただ、安全な自転車運転教育は依然怠ったままと言われても仕方ない状況で、配達員は“個人事業主”だから自己責任で、というスタンスは変わっていません。この部分を改善しない限り、リスクは配達する運転者だけに降りかかってくる。つまり、法改正しても何ら解決しないということです」(前出・ライター)
いうまでもなく道路は税金によって整備される公共の場だ。したがって、公道を走る際には当然義務と責任が生じることを忘れてはならない。
(灯倫太郎)