シリーズ開幕戦から宿敵・巨人に3タテを食らった阪神だが、まだまだ望みは残されている。それどころか、「120試合なら優勝」という驚愕のデータが浮上した。
今季のペナントレースの試合数が少なくなったことは今さらだが、各チームはその明確な対応策を見出せないまま、開幕戦を迎えることになった。23試合も少なくなった分、短期決戦と見るチームもあれば、増員の決まったベンチ入りのメンバーの使い方を模索し、終盤戦にラストスパートを掛けようとしているチームもある。特別ルールのなかでしばらくは“手探り状態”が続きそうだが、「120試合」に関する興味深いデータが出てきた。
近年のセ・リーグ優勝争いだが、120試合以降で首位チームが入れ代わって優勝したのは、08年・巨人、10年と11年の中日、15年の東京ヤクルトの4回。そのシーズンにおいて、なんと120試合時点での首位チームは、4シーズン中3シーズンが阪神だったのだ。
「とくに、08年の首位逆転劇は有名です。阪神は開幕5連勝の好スタートを切り、2位の巨人と最大13ゲーム差をつけていました。7月下旬にはマジックナンバーも点灯したほど」(在阪記者)
気の早いメディアも出た。大阪方面では、阪神の“優勝特集”の小冊子も発売されたが、試合数を重ねるにつれ、ジリジリと後退。巨人が逆転優勝を果たすと、岡田彰布監督(当時)は責任を負って辞任してしまった。虎ファンにとっては思い出したくないシーズンかもしれないが、120試合時点での首位は阪神。2位チームにも6ゲーム差をつけていた。もし、ペナントレースが120試合制なら、阪神はこれまで3度、“幻のリーグ優勝”を果たしていたことになる。
今季のチーム状況について、こんな情報も聞かれた。
「外国人選手の一軍登録は5人ですが、先発ローテーション入りが確実と見られていたガンケルが開幕メンバーから外されました。同じく先発要員のガルシアですが、こちらは21日に逆転弾を浴びて敗戦投手になりました。当初はその翌日、ガルシアを一軍登録から外して、ガンケルを昇格させ、24日に先発させるものと予想されていました。ガルシアをいったん一軍登録から外すと、10日間は再登録できません。ガルシア、ガンケルを使い分ける采配ができるのは、その穴を十分に補える若手投手が二軍に待機しているということでしょう」(前出・在阪記者)
質量ともに、今年の阪神は優勝戦線を戦い抜く投手力を持っているというわけだ。08年の屈辱を巨人に返すときがきた。阪神が120試合制に強いところを見せ、15年ぶりの優勝なんてことになるかも…。
(スポーツライター・飯山満)