新型コロナウイルスの対応で後手を踏み、第2次補正予算案で支援策をひねり出して国民の信頼回復に躍起となる安倍晋三総理(65)。しかしそのやさき、「安倍政権にベッタリ」と揶揄されたあげく、東京高検検事長をクビになった黒川弘務氏(63)の賭けマージャン問題で、もはやロープを背にノックアウト状態だという。
「新型コロナ問題が日本からヨーロッパや米国に拡大された時は、自分が世界のリーダーシップを取る勢いで、顔色もよかったんですけどね。今は疲労困憊で目もオドオドして自信を失った感じです」(政治部記者)
内閣支持率が30%台まで急落している状況で第2波が来たら対応できるのか。政治評論家の山村明義氏はこう話す。
「自民党議員と話しても、官邸主導のコロナ対策に不信感を持っているのは明らか。当選3回生を中心とした若手議員が動き出し、批判を強めています。党内では退陣説もチラついていますが、最近は2つのシナリオが浮上。新型コロナと東京五輪があるかぎり安倍総理が続投する案と、何をしても国民やマスコミに叩かれるので、感染者が抑えられている今のタイミングで“撤退”すべきとの案が出ています」
それでも問題なのは、不満の声が噴出しても、誰も安倍おろしに名乗りを上げないことだ。
「ポスト安倍として名前が挙がる岸田文雄政調会長(62)は、減収世帯への30万円給付を主導していたが、全国民一律10万円給付に変更になってメンツは丸つぶれ。茂木敏充外相(64)はどこにいるのかわからない、と言われるほど影を潜めています」(山村氏)
党内で不人気でも、国民からポスト安倍として支持されるのは石破茂元幹事長(63)だが、こちらも心もとない。
「長期政権のあとはやりたくないようで、『次の次を狙っている』とつぶやいていました」(政治部デスク)
もはや窮地の日本を前に立ち上がる骨太な政治家は永田町にいないようだ。それどころか、こんな「ウルトラC」まで浮上しているという。
「二階俊博幹事長(81)は安倍総理を高く評価していて、一度退陣させて、国民の批判が静まってから、再登板させるプランを模索しているようです」(自民党関係者)
新型コロナのハードな爪痕が刻まれる日本で、生き残るのは安倍総理だけということなのか。バッシングをやりすごし、たとえ総理の座に返り咲いたところで、全てが破壊し尽くされてしまったあとでは……。