アフター・コロナで変わる飲食店「配膳ロボット」500万円は高い?安い?

 全国で新型コロナウイルス感染が懸念される中、特に感染に気を使っている業界のひとつが飲食業である。店内の消毒から、従業員の手洗いやマスク着用、店舗入口での来店者の手の消毒など、各企業、各店舗で対策を実施している。できる限り直接的な接触を減らしたいと試行する中で、注目が集まっているのが自動配膳ロボットだ。

 現在、日本で導入されはじめているのは、中国の商業ロボットメーカーKeenonRobotics(本社:上海)で開発された配膳ロボット「PEANUT」(ピーナッツ)である。すでに日本国内では同メーカーとパートナーシップ契約を締結した企業が販売している。

「配膳ロボットというだけあって、席まで料理を運ぶのはもちろんのこと、お客に音声で料理の到着を知らせてくれます。機種によって料理を載せる棚の数などは異なりますが、厨房で複数の料理を受け取り、それぞれのテーブルをまわって、注文したお客のもとに届けることも可能。料理を受け取ったお客がロボットの頭をポンと撫でると、厨房へ戻っていきます。新しいモデルでは、独自のAIエンジンにより状況によってモニターで喜怒哀楽を表現して、利用客とコミュニケーションを取ることも可能です。また、店内に複数の『PEANUT』を導入していても、同時運行が可能で、障害物を自動回避するシステムが搭載されているので人間のスタッフと一緒に働くことも問題ないそうです」(ITライター)

 この「PEANUT」シリーズは、すでに全世界で6000台以上が稼働しており、日本国内でも、九州は福岡の居酒屋や宮城県仙台市の焼肉店などで稼働が確認されている。また、飲食店に限らず、「第2波」に備えるアフター・コロナにおいては介護施設や医療施設でのますますの活躍が期待されるところだが、「配膳ロボットに関しては、まだ価格が高いため、資金に余裕がある大企業でないと導入するのは難しいかもしれません。配膳ロボットの分野で先進国と言われる中国では、定価が500万円以上するものも珍しくないですからね。ただ、500万円で購入したとしても10年使えば年間50万円。“バイトテロ”の心配もなく、月におよそ4万円のアルバイト代を払うと思えば安い買い物かもしれませんね。また、最近では100万円を切る機種も見受けられるので、話題作りのためにも導入する飲食店は増えそうです」(飲食業界誌編集者)

 アフター・コロナの取り組みで開発が進み、より廉価な配膳ロボットが出回れば、外食産業の慢性的な人手不足の解消にもつながりそうだ。

(オフィスキング)

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