サイゼリヤ「株主優待の廃止⇒7円増配」発表で賛否、利回りがいいのはどっちか

 レストランチェーン「サイゼリヤ」は7月10日、取締役会において株主優待制度を廃止することを決めたと発表した。株主に公平に利益を還元するためだといい、配当金を増配することも発表されたが、株主優待と今回の増配ではどちらがオトクなのだろうか?

「サイゼリヤによると、より多くの株主に株式を長期保有してもらうべく株主優待制度を実施していたといいますが、海外投資家などから優待券を利用する機会がないといった意見もあり、『配当による利益還元に集約することが適切であると判断し、株主優待制度を廃止することといたしました』と説明しています。なお、同日に発表された2024年8月期第3四半期(23年9月~24年5月)の純利益は前年同期比94.9%増の約51億円と絶好調でしたが、24年8月31日を基準日として株主優待は廃止されます」(経済ライター)

 同社は100株以上を1年以上保有する株主に株主優待として食事券を2000円分、500株以上を保有する株主には1万円分、1000株以上を保有する株主には2万円分を年1回贈呈していた。今後はこれが廃止される代わりに1株あたりの配当金を7円増配し、25円にすることも発表された。ただ、これを受けてサイゼリヤの株価はSBI証券の夜間取引で、一時10%安となるなど大幅に下落している。

「23年の8月末で同社の株式の個人株主は64%といいますから、株主優待目当てで保有していた人も少なくないでしょう。今後は配当金が7円増配されるということですが、株主優待とどちらが得だったかというと、保有株数が300株以上499株以下、もしくは2900株以上であれば7円増配された方が利回りは高くなります。ただ、配当金は業績などによって増配されることもあれば、減配されることもありますし、これまで食事券で安定してもらえたことを考えると長期保有が不安になる人も出てくるでしょう。そもそも株主優待目当てで保有した人は手放す可能性が高く、株価はさらに下落する可能性もありますから、今後も持ち続けるかはしっかりと考えた方がいいでしょう」(同)

 サイゼリヤの株主優待廃止はXのトレンド入りするなど大きな反響を呼んでいる。

(小林洋三)

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